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アナザーエナジー展に行ってきました
先日、「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力_世界の女性アーティスト16人」に行ってきました。
昔からそうなんですが、なんだか無性に美術館に行きたくなる時があるんです!
この気持ち、わかる人~!!(笑)
職業が俳優ということもあって基本的には映画やドラマ、舞台などの芸術にはずっと共に生きているわけなのですが美術館にはあまり行かないんですよね~。
でも、無性に行きたくなる時があるんですよ!!きっかけとかは特になくて、「あ、今私芸術を欲している!!」みたいな...(笑)
自分でもよく分からないんだけど、きっと生きていく中でのヒントを教えてくれているんだと思っています。なので時間をつくって行くようにしています。
どこに行こうかと悩んだ時に、「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力_世界の女性アーティスト16人」(以降「アナザーエナジー展」と省略)を見つけました。こういうのって本当にタイミングだと思う!
アナザーエナジー...。タイトルからものすごい熱量を感じる...。挑戦し続ける力って...かっこいいい!!!しかも女性アーティストに絞っているのも気になる...。気になると止まらなくなる私はすぐに行ってきました!!(すぐ感化される!(笑))
作品から強さが伝わる
71歳~105歳まで、現役で活動している女性作家の展示会。
予備知識なく行ったのでまず年齢に驚き、さらに現役で活動されていることに驚きました。みなさん私の倍以上生きてらっしゃる!!!
今とは環境が全く違う社会の激動期(戦後1950年代から70年代くらい)に創作活動をはじめられた方ばかり。
最近は「ジェンダー問題」などニュースでも取り上げられることは多いですが、当時の「男女不平等」は今よりもっと深刻だったと思います。(日本でも1985年になってやっと「男女雇用機会均等法」が成立しました)
きっと今とは違う風向きがあって、それを乗り越えてきた「強さ」を作品から感じました。
あなたにとって表現とは?
↑展示場はこんな感じでエリアごとに作家の紹介があり、その周辺に作品が展示されていました。
どんな作家なのか、簡単なプロフィールとともにインタビュー動画がありました。「作家になったきっかけ」や「どうしてつくり続けるのか」、「表現とはなんなのか」、「若い方へのメッセージ」などなど。
インタビューだけでも見ごたえある内容で、私は食い入るように見ましたね。
16人それぞれのインタビューは、皆さんそれぞれの軸があって全部納得にいく回答ばかりでした。
特に「あなたにとって表現とはなんですか?」の質問で、即答する方もいれば、言葉にすることじゃないと敢えて答えない方もいたのが印象的でした。
「あなたにとって表現とはなんですか?」か~。私だったら真面目に答えなきゃ!と色々考えて答えるだろうな。そして結局ありきたりな回答になりそう...。
だけどそうなの!上手く言葉にできないから作品を通して表現するんだよね!!!めっちゃわかるわ~。
そんなことを思いながら見ていました。
追求し続けること
社会風刺を表す作品もあれば、生きる楽しさを表す作品など千差万別。
↑写真の作品「ビクトリア」の作家であるカルメン・ヘレラさんは16人の中でも最年長の105歳!(5/30に誕生日を迎え106歳になったそうです!おめでたい!)
1950年頃から創作を始めて、作品が評価されたのはなんと90歳を過ぎた2005年頃でした。
インタビューでも「半世紀待ってようやく時が来たのです!」と明るく元気に話されていて、胸が熱くなりました。
カルメン・ヘレラさんは直線に興味があったんだとか!面白い着眼点ですよね。追求し続ける姿勢も凄く刺激を受けました。
この作品を見た時、「死ぬまでこれを続けたい!」と思えるものがある人ってどれくらいいるんだろうなあって、ふと思いました。そういう出会いって、なかなかないんじゃないかな〜。
私は105歳になった時、どんな気持ちでいきているんだろう。
まずそんなに生きるかしら。でも人生100年時代らしいからね。てかこんな綺麗な直線、おばあちゃんになったら描けないよ!!
矛盾とともに時代をうつす
こちらの作品は日本人作家の三島喜美代さんの作品。
三島さんの作品は”ゴミ”(新聞や雑誌)を作品に取り入れています。
夫であり画家の三島茂司さんの影響を受け、薫陶×新聞の作品をつくりあげました。
【薫陶】
香(こう)をたいてかおりをしみこませ、粘土(ねんど)をこね陶器を作る
「どんな情報も読み終わった途端ゴミになる」
これに気づいた三島さんは現代社会の恐怖や不安感を覚えたそうです。
確かに、そうですよね。毎日いろんなニュースがあるから1週間前のニュースですら忘れてしまいます。
その時「この事件、怖いな」と思っても自分が生きることで精一杯だから忘れちゃう。
どんどん新しい情報が更新されていく世の中だなあと、作品を見て思いました。
これは高さ2mもある作品。圧倒されました。
陶器という、落としたら割れてしまう繊細なものと、簡単に捨てられてしまう新聞を組み合わせた作品はとても見応えがありました。
重くのしかかる陶。軽く柔らかい新聞紙。この矛盾が面白いですよね。
三島さんは作品作りに対してインタビューで、
「命かけて遊んでるっていう感じですね。一生。」
と話されていました。
いやめちゃめちゃカッコいい…。
命かけて遊んでる。この「命かけて」っていうのがポイントで、ただの「遊び」とは全く違う。
「私、命をかけてやってます!」って、なかなか言えない言葉だと思うんです。言いたいけど、自信がない。
命をかけて。そのエネルギーが作品にのっかっているように感じました。
さいごに
美術館ってなんだか落ち着いている雰囲気で息を呑んでしまう静けさがあるなあと思っていたのですが、
この「アナザーエナジー展」は、とにかくエネルギッシュでパワフル!だけど女性の品も垣間見れる…。
なんていうかもう本当にかっこよかった。
過去を超えて今を生きる。
芯がしっかりしていて、自分が思うまま、感覚のまま生きている感じ。
もう少し、自分の感覚を信じてみようと思いました。
気になる方はぜひ行ってみてください!9月26日まで開催しています!
予約制なので混み合うことがないので、ゆっくり見ることができましたよ!
#エネルギッシュに生きる