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不快感のない演出でリアルに近い起業家ストーリー『トリリオンゲーム』

▼『トリリオンゲーム』
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 派手好きのイケメン起業家が、ギークの同級生と組んでベンチャー企業を作り、のし上がっていくというお話。
 起業家の物語は数あれど、フィクションでこのスケール感でのお話はなかなかないのでベンチャー起業家にとっては自分のことのようで楽しめるのではないだろうか。
 こういう話は大抵がちゃんとリサーチしてなくて、荒唐無稽なシーンが出てきて興醒めだったりする。

 私にとっては宇宙ものの映画とか漫画がそれだ。
 よくできていた映画『アポロ13』( https://amzn.to/2TDlitb )にしても、細かい部分で科学考証が入っていないところがあったりする。『ゼロ・グラビティ』( https://amzn.to/3dN7gvV )とかは酷かった。消火器でハッブル宇宙望遠鏡からISSに移動できるわけがない。少し考えればわかるが、そんなことできたら消火器を使った人は毎回後ろに吹っ飛ぶはずだ。

 そういう意味でこの作品は巨大な投資会社に生きる人たちとか、ギークの生態とか、セレブ達の生態とかをわりと正確に取材しているといえよう。確かに少し演出がかっているところはあるのだけど、そこまで不快ではない。むしろ野太いエネルギーが感じられて、読後感が爽快だ。

 派手系主人公はチャラ男に見えて実は芯が太く義理堅いというのも良い設定だ。といっても時価総額100兆円を達成した日本企業はかつてない。そんなワクワクするようなストーリーを見せてくれるのだろうか。私もロケットや和牛のベンチャーで世界と戦っていこう。

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