【おもひでぽろぽろ小学生編】人生初の〇〇は地獄の特訓である
「おもひでぽろぽろ小学生編」は、昭和生まれのおじさんが小学生だったころのショートエピソード。
なんてことはない話ではあるけれど、今では「ありえない」と思われるエピソードがあるかも。。
そう、昭和おじさんの思い出は、ある意味「異世界」。
そんな昭和おじさんワールドを楽しんでくれ。
まえおき
ぼくのおやじは ザ・昭和である。
加えて、「習うより慣れろ」の意味をぜったいわかってない。
プールは時にあの世の入り口
ぼくは小学5年くらいまで水泳が嫌で嫌でしょうがなかった。
プチデブで水着なんてはずかしいし、泳げないし、しんどいし。
プールの時間は全力でサボった。
お腹痛い、頭痛い、なんかしんどい。。。
あるときからプールを休むのに、ノートに親からのサインが必要になるくらいだったが、
そんなもの、自分で偽造して休んだ。
なんせ、とてつもなくイヤだった。
そんなぼくを夏休みのある日、おやじがプールに連れ出した。
親せきの子供と一緒に、みんなでプールに行こうということで・・
流れに飲み込まれた感じだ。
近所の市民プールに到着して、
しぶしぶ水着に着替えて、
消毒液を潜り抜けた。
年が近い親せきの子供たちがいるので、それとなく楽しいが
そもそも泳げない。
でも子供用プールでピチャピチャすんのも恥ずかしいし・・
いちおう、でっかいプールも確認しておこう。
そんなこんなで、ひときわでっかいプールの端っこにやってきた。
恐る恐るプールを覗き込んでみると、なんだか底が見えない。
「え?市民プールってこんなに深いの?」
と思って後ずさった瞬間、
ぼくはおやじに投げ飛ばされて、頭からプールにダイブしていた!
え!??
??
泳げないヤツあるあるの、立ったまま顔を上げようともがく。
もがく。
え???
助けに・・・来ない?
当然、まったく水中から顔は出ることはなく、溺れた。
しこたまプールのまっずい水を飲んでから、救助。
「水に放り込んだら、泳げるようになるやろ。そもそも赤ちゃんは泳げるんやぞ」
は?知らんわ!何の話や?!
目の前におるんは、学校のプールですらまともに入れん小学生やぞ!
とか言う元気はなく。
ただただ、ゲッホゲッホ言いながら
「助かってよかった」
と思っていた。
この時は、「マジで死ぬ」と思った。
この年になると「マジで死ぬ」と思う瞬間は結構あったけど、ベスト10に入ると思う。
やばい親に育てられるよりは、AIが子育てした方がマジで子供の生存率が上がると思う。
スキーはスリルしかないスポーツである
これも小学生の時の話。
おやじの母ちゃん(ぼくのばあちゃん)が大阪に住んでいた関係で、冬休みは大阪にお泊りすることがあった。
ある日、おやじが
「スキーに行かへんか?」
と言い出した。
え?行ったことないけど、教えてくれんの?
っていうか寒さに耐えれそうな服とか持ってないけど、買ってくれんの?
とは言えず「うん」と言ってしまった。
これが悲劇の始まりとなる。
向かうは六甲山人工スキー場。
当然、スキーの装備はない。
どころかスキーウェアなんてあるはずもなく、ジャンパーにジーンズという
「あれ?近所に買い物?」
みたいな恰好で出陣した。
スキー場に着くと、結構な人だかり。
さっそくスキー靴と板をレンタルする。
係の人に教えてもらって、なんとかスキーを装着。
ゲレンデ正面のレストランの前でおやじを待っていると、
いつも通りの格好でやってきて
「おう、わしコーヒー飲んでるから行ってこいや」
・・・
はあぁ~~~~~~ぁぁあ???
こちとら、初めてのスキーやぞ。
なんもわからんと、板付けてギリギリ立ってるだけの子供に
「コーヒー飲んでるから行ってこいや」?
頭沸いてんのか!?
とも言えず
「うん」
と言ったら、おやじはさっさとレストランに入って行った。
しかたなく、転んだり起き上がったりを繰り返して
メインのゲレンデの頂上部にたどり着いた。
慣れてる人にはなだらかな斜面かもしれないけれど、
スキーなんぞ行ったことがない子供には恐怖の坂道。
たぶん30~40分はその場に立ち尽くしていたと思う。
今は知らないけど、当時でっかいゲレンデがドーンとあって、
その下の方に練習ゲレンデ的なものが存在していた。
「どうやって、行くねん」
誰も答えてくれない。
周りを見ていると、どうやら坂に向かっていくと下に滑って行くらしい。
これは、、、
正面に誰もいないタイミングを見つけて行くしかない。
それからしばらくして、スキー板が斜めになるところまで恐る恐る進んでいった。
すると、当然ながら下に向かって滑り出す。
鳥肌が立つ。
どんどんスピードが上がっていく。
止まり方は、知らない。
ここで余談だが、乗り物は止め方を知ってから動かすのが鉄則だ。
ぼくは誰にも教わらずに身をもって体験したので、シェアしておく。
これは先に聞いておくべき案件だと思う。
さて、
いくら目の前に誰もいないタイミングで滑りだしたとはいえ、スキー場の人間は動き回るのである。しかも高速で。
こっちも誰にも負けないくらい高速でぶっ飛んでいる。
うまい人は危険を察知してよけるけど、初心者には避けられない弾丸になっていた!
そしてついに!!
鳥肌が立ったままのぼくに、斜め前方にいるおねーさんと激突する未来が見えた。
「これは、どっちも大けがする!」
そのとき!!
ぼくは、おもいっっきりコケた。
そう、激突するくらいならコケればいいのである。
とは言うものの、はじめての高速移動中にコケるのには勇気がいる。
目をつぶって、転げまわった。
なんとか、二人とも無事。
よかった。
ジーンズはびちょびちょで、パンツもびちょびちょだけど。
よかった。
人生初がトラウマにならないように
このように昭和では、
はじめての〇〇は地獄の特訓になりがちである。
だがしかし、小学生のうちからとんでもない刺激をあたえると、ろくでもない大人になる可能性がUPしまくる。要注意。
それらがトラウマとなって、
水を見るのも怖い
雪が降ってくると鳥肌が立つ
なんてことにもなりかねない。
子育てには十分注意していただきたい。
マジで。
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