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マーケティング4.0視点で市場と向き合う #369

皆さんこんにちは。双子パパTakaoです。

10月のジブン株式会社ビジネススクール4限目は、コトラーのマーケティングについての講義でした。今後のマーケティングは1.0から3.0ではなく4.0が鍵という点がポイントでした。

講義を聴いたレポートとして、コトラーのマーケティング4.0を体感した事例と、実際の仕事で意識していることをまとめたいと思います。


コトラーのマーケティングの進化

コトラーのマーケティング1.0からのポイントを端的にまとめると以下のようになります。

マーケティング1.0:製品中心のマーケティング

概要:主に工業化の時代、製品や機能性が重視されていました。

目的:製品の販売を促進し、シェアを拡大すること。

特徴:製品自体の品質や性能をアピールし、消費者に選ばれるためのマーケティング。

手法:マス広告や価格競争が主要な戦略として用いられ、消費者ニーズに関する理解は浅かった。

マーケティング2.0:顧客中心のマーケティング

概要:消費者のニーズに応えることが重視されるようになり、顧客満足度が中心に。

目的:消費者のニーズや問題解決に焦点を当て、長期的な顧客関係の構築を目指す。

特徴:市場調査やターゲティングが進化し、顧客のセグメント化が進んだ。

手法:CRM(顧客関係管理)が導入され、顧客理解を深めるためのデータ活用が行われる。

マーケティング3.0:価値中心のマーケティング

概要:社会貢献や企業の社会的責任(CSR)が重要視され、ブランドが価値観や倫理観で評価される。

目的:顧客だけでなく、社会全体に対して貢献することで、企業としての信頼性を高める。

特徴:企業の理念や使命が重要視され、顧客と共感し合える価値を提供することが求められる。

手法:ブランドの信頼や価値観を重視し、社会的課題(環境保護、貧困削減など)への貢献もマーケティング戦略に組み込む。

マーケティング4.0:デジタル時代のマーケティング

概要:デジタル技術が進化し、オンラインとオフラインの融合が進んだ現代のマーケティング。

目的:顧客との双方向の関係性を築き、ブランドのファン化や口コミ効果を高める

特徴:SNSやモバイルアプリなどのデジタルプラットフォームを活用し、顧客とのエンゲージメントを強化する。

手法:デジタルマーケティング、データ解析、AIの活用により、パーソナライズされた体験を提供し、顧客の行動をリアルタイムで分析して対応する。

ついつい共感して写真を撮りたくなることや、それらをSNSにあげてシェアしたくなる気持ちにスイッチを入れることなどは、マーケティング4.0の世界を象徴しています。

東京ディズニーランドなどはこの視点を強く意識しています。乗り物に乗るという楽しみ方から、ディズニーランドで写真や動画を撮ってアップする、シェアすることに価値があることを強く意識した環境デザインやブランディングをしています。

今年の旅やマーケット視察を通して、やはり人が集まる場所では、マーケティング4.0の事例になる工夫が行なわれています。3つの視点から事例をまとめたいと思います。

事例(1)富士河口湖町 大石公園 ハナテラス

まず1つ目が、富士河口湖町の大石公園にある撮影スポットの設計です。ここでは、富士山を背景にデザートを食べる姿や、デザートを活かしたパフェの撮影が楽しめます。

ハナテラスの桃のパフェ1800円

このように「発信したい」という気持ちを刺激する設計がされており、1800円のパフェも飛ぶように売れています。これは、凝縮した体験を提供しているからこそ実現していると感じました。

また、パフェは加工品なのでフルーツ自体に多少見た目に痛みがあっても、活用できるため、農家にとっても高い付加価値が付けられるメリットがあります。

大石公園の花テラスは非常に良い戦略を取っており、極端な話、たとえ天候が悪く富士山が見えなくても、パフェを撮影することで「花テラスに来た」という体験が証明できる点が魅力的です。自然と写真を撮りたくなるように設計されており、本当に巧妙だと思いました。

また、他にも園内にいくつも写真撮影スポットが設けられていることで、観光客が絶えず訪れる場所になっています。これからさらにマネタイズの可能性がある公園だと思いました。

コキアと富士山
季節の花々との富士山という構図

※大石公園の旅については、こちらに詳しく書いています

事例(2)ふじてんリゾート

スキーリゾートの観光客にとっての価値

同様に、富士山が見えるスキー場「ふじてんリゾート」というゲレンデに行ったときも、多くの観光客がスキーはせず、富士山を背景に雪の中で写真を撮ることを目的に訪れているのが印象的でした。

特にアジア系、インドからの観光客がバスで多数押し寄せ、スキーをせずに写真撮影だけで楽しんでいる様子がとても興味深かったです。

日本を代表する富士山を背景に、しかもその時期でしか体験できない雪景色を楽しんでいる姿は、写真としても非常に価値ある体験だったと思います。写真撮影サービスや撮影のための入場料などを取り入れるだけでも、さらなる収益化が可能ではないかと感じました。

このように、お客さんが価値を感じている一方で、運営側がその価値のマネタイズを十分に活用できていないというギャップがあるように思いました。

撮影するためにゲレンデに来ている観光客

事例(3)オールナイトニッポンと推し活

観光やレジャーとは視点が変わりますが、推し活もマーケティング4.0の世界だと思います。

職場の同僚がオードリーのオールナイトニッポンのファンで、東京ドーム公園にも行ったそうです。これは完全にマーケティング4.0の手法だと感じました。

いつも同じラジオを聴いているファンが東京ドームにリアルで集まり、同じ仲間としてイベントを楽しむ。その場で限定グッズを購入したり、看板や告知の写真を撮ったりするなど、「自分も応援している」「自分もこの番組を聴いている」という自己表現をするために写真を撮りたがるニーズがあるようです。

ライブイベント前にもわざわざ東京ドームに広告の写真を撮りに行って楽しんでいた話を聞いて、本当に共感や撮影体験の価値が高いんだなと感じました。



このように、オンラインとライブイベントをクロスさせたマーケティング手法が活発化しており、「推し活」はその典型的な事例だと感じました。

マーケティング4.0の切り口で流行や人気のイベント、集客を分析していくと学びになることが多々出てきます。

これからもマーケティングの進化を踏まえてマーケットを分析していく視点を持っていきたいと思います。




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双子パパTakao
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