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【キャリア】プロのキャリア支援者に必要な学び -メンタルヘルスについての知識アップデートと実践は不可欠- #430

みなさんこんにちは。双子パパTakaoです。

今年は、双子育児関連だけでなく、本業のキャリア教育、キャリアコンサルティングに関しての動向、キャリアコンサルタント自身の学び直しについても定期的にnoteで記事を書いていこうと思います。

キャリコンサルタントの学びについてのテーマだけを読み放題にできるメンバーシップを開設しているため、キャリア支援に関わる方、国家資格キャリアコンサルタント取得者(目指している方)、企業人事部(研修開発担当・採用担当)、産業医、薬剤師(キャリアや健康に関心のある方)などを想定読者とした少しマニアックな掘り下げていきます。ぜひご加入ください。

キャリアコンサルティング研究室(関連記事を読み放題/初月無料です!)

もちろんこれまでの読者の方にとっても、「キャリア」は全員の人生に関わるテーマですので、そのままご愛読いただければと思います。

なぜこのテーマを掘り下げるのかというと、私自身の経験として、学生時代からキャリア支援の取り組みをはじめ、今年で19年目になります。現場での経験をより体系的に深めるために、途中で大学院にも通いこの分野で修士号を取得しました。

一つの領域を20年近く探求していると見えてくることがあるため、この領域のテーマでも、もっと価値のある発信ができるのではないかと思います。

今回は、国家資格であるキャリアコンサルタントの試験範囲にもなっている「メンタルヘルス」について、試験レベルではなく、実務でしっかりと支援をしていくために、プロとしてキャリア支援に携わるキャリアアドバイザーがどのようにこの領域と向き合っていくのが良いのかについて考えたいと思います。

私自身が現場でメンタルヘルスをかかえる相談をいくども受けてきたことに加えて、2年前からは患者家族の当事者として入院やその後のリハビリを支援する立場をリアルタイムで経験しています。

キャリア支援をシンプルに定義して、「心身を健康に、一人一人が充実した幸せな人生を歩んでいくための伴走者」と捉えるならば、増え続ける精神疾患、メンタルヘルスによる休職者をかかえる会社が10%を超える状況において、この問題を無視した支援はできません。

国家資格キャリアコンサルタントの勉強では、法令や支援対象者への接続という論点が注目されておりますが、現実的には、視点を広く持っていかないと、実務でのアドバイザーとしては太刀打ちできません。

メンタルヘルスの知識をアップデートするという点について、私自身が実践していることを踏まえて、考えを述べたいと思います。


◎増え続ける精神疾患のリアル。キャリアの悩みを心身の健康問題は切っても切り離せない誰もが共通して考える課題になっている。

以下は、厚生労働省が発表している統計データですが、病気として掌握されている精神疾患患者だけでも、614万人を超える状況が報じられています。とんでもないことになっています。関連する親族や、周りの方を含めると、身近な人で、精神疾患で悩んでいる人を知らない人の方が珍しいレベルになっています。

これは保険診療を使っている、病院への来院ログがあるデータですので、病識がない(私は病気じゃない!と言って家族からの勧めを無視して病院には行かない人、いく気力もなく家で休んでいる方は入っていません。)平成29年からの急激な伸び方は、コロナによる人的交流がなくなったことの人間の精神への負の影響を感じざるを得ません。。令和2年以降のデータは怖くて見れないかも知れません。。

厚生労働省第「4回新たな地域医療構想等 に関する検討会」 
精神疾患を有する総患者数の推移
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001256794.pdf

事業所においても、「メンタルヘルス不調で連続1カ月以上休業した労働者がいる事業所割合は10.6%」という痺れる結果も指摘されています。

さらに、教育現場も惨憺たる状況になっています。

「教員「心の病」で休職7119人 3年連続最多 指導や対人関係で悩み」

「健やかに働く」ということがかなり難しい環境にあり、メンタルヘルスについては、現役世代で働く人は皆等しく知識を武装し、対策していかないと、誰もが罹患するリスクがあります。

こうした現状を踏まえると、キャリアを支援する側にとっても、相談者のかかえる前提状況には、かなりの確率で、本人の心身の不調、体調の変化、メンタル予防のための環境変更のための転職、学生時代の精神疾患罹患経験を踏まえた仕事選び、というように非常に複雑で入り組んだ形で相談が舞い込むことになります。

ところが、過去3年間の国家資格キャリアコンサルタントの試験では、4問程度の法令に関する問題が出る程度で、メンタルヘルスについての体系的な理解ができるような構成にはなっていません。

◎キャリアコンサルタント試験範囲では足りない視点をアップデートする

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