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【論文レビュー】主体的で先回り的な行動=プロアクティブ行動の種類について。:Parker & Collins(2010)

VUCAと呼ばれて久しい変化が激しい時代においては、会社や上司から言われる前に社員側からの主体的で先回り的な行動が求められます。思いっきり乱暴に言いますと、このような行動は、組織行動論の研究領域ではプロアクティブ行動(proactive behavior)と呼ばれています。

「プロアクティブ行動ってまとめて表現しても色々あるよね?」という問題意識に基づいて、差異を明らかにしながら共通項を括るという作業をしてくれているのが今回の論文です。

Parker, S. K., & Collins, C. G. (2010). Taking stock- Integrating and differentiating multiple proactive behaviors. Journal of management, 36(3), 633-662.

因子分析によって近い概念をカテゴリーで括りつつ他のカテゴリーとの違いを明らかにし、またそれぞれのカテゴリー間の関連については相関係数で示すという、「ああ、そういう示し方があるのね」というが関係図が以下となります。

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三つのカテゴリーは、①職務遂行的プロアクティブ行動(Proactive work behavior)・②環境適合的プロアクティブ行動(Proactive PE-fit behavior)・③戦略的プロアクティブ行動(Proactive strategic behavior)です。それぞれ相関関係が見られ、特に①と③は相関係数が0.71という強い相関が見られていることが特徴的です。

組織社会化や組織適応という観点で言えば、①の中に属するものと考えられ、個人の変革的行動(Individual innovation)にあるものと捉えれば良さそうです。

では、個人のプロアクティブ行動をもたらすものはなんでしょうか。

本論文では、まだ研究が少ないという限定をつけながらも、目標志向(goal orientation)がプロアクティブ行動を促す重要な役割を担うことを示しています。たとえば、学習に関する目標志向性が様々なプロアクティブ行動を促していることをことを例証しています。


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