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【論文レビュー】新入社員が能動的に働くことによる効果とは?:Ashforth et al.(2007)

ざっくりした解説でスミマセンが、プロアクティブ行動とは、組織で新しく働き始める社員が組織に馴染もうとして自発的かつ能動的に働きかける行動です。大学を卒業した後の初期キャリアにおいて、新入社員がプロアクティブ行動を取ることによる効果にはどのようなものがあるのでしょうか。

Ashforth, B. E., Sluss, D. M., & Saks, A. M. (2007). Socialization tactics, proactive behavior, and newcomer learning: Integrating socialization models. Journal of vocational behavior, 70(3), 447-462.

プロアクティブ行動は離職意思を下げる

Ashforth et al.(2007)は、新入社員のプロアクティブ行動が、(本人の)業績、組織アイデンティフィケーション、職務満足、離職意思に影響することを明らかにしました。下図を見ていただくと、他の要因との関係性もわかりやすいかと思います。

Ashforth et al. (2007) p.457

注目したい点は以下の二つです。

第一に、新入社員のプロアクティブ行動が新入社員の職場での学習行動を促し、それを媒介して上記の四つの変数に影響を与えているという媒介効果が明らかになった点です。自発的かつ能動的に関わろうとする行動は、職場において求められるさまざまな学習内容を習得するというプロセスに繋がるというわけですね。

第二に、離職意思については、媒介効果だけではなく、プロアクティブ行動から離職意思へと直接的に負の影響を与えることが明らかになっている点です。自発的で能動的な行動それ自体が、企業にとってのリテンション効果を高めるという点はオンボーディング施策を検討する上での示唆に満ちた結果と言えるのではないでしょうか。

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