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【論文レビュー】組織社会化戦術の先行研究:小川(2006)

組織社会化戦術とは「役割から役割への移行における個人の経験が、その組織の他者によって構造化・組織化される方法」(Van Maanen & Schein 1979, p.230; 小川 2006 p.66)のことで、すごくざっくり言えば企業が新しく入ってきた社員の組織社会化を促すための施策のことです。組織社会化戦術に関する先行研究群についての小川先生のまとめもまた勉強になります。

小川憲彦. (2006). 組織における社会化過程と個人化行動に関する理論的・実証的研究. 神戸大学大学院 経営学研究科 博士課程論文.

Van Maanen & Schein(1979)から始まる組織社会化戦術

組織社会化戦術への言及は、冒頭の定義の部分でも挙げたVan Maanen & Schein(1979)からどうやら始まるようです。そちらの論文については、修士2年の初期にわりと丁寧に読んでまとめたものがあるので、関心がある方はご笑覧ください。

組織社会化戦術の尺度開発

Van MaanenとScheinの研究を受けて、組織社会化戦術を尺度開発して実証研究に取り組んだのがJones(1986)です。Jones(1986)は、社会化戦術について、制度的(従来の役割を受け入れる保持的志向)か個別的(従来の役割にとらわれない変革的志向)かという対象に関する横軸と、文脈的・内容的・社会的という施策による分類を行う縦軸とで六次元で整理できると考えました。

小川(2006)p.69

MBAコース卒業生102名への入社後五ヶ月のデータを基に分析を行い、自身の仮説を検証しています。さらに、他の概念との関係性を検証し、制度的社会化戦術は役割矛盾、役割曖昧性、離職意図に負の関係を持ち、職務満足やコミットメントと正の関係を持つことを明らかにしています。

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