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【論文レビュー】組織の中での創造性と革新性。:Anderson, Potočnik, & Zhou(2014)
本論文は、組織の中における創造性(creativity)と革新性(innovation)についてのレビュー論文です。基本的なスタンスとしては、創造性と革新性に関する先行研究を見ていくと、両者の領域は不明瞭であり近しいものとして捉えているようです。
Anderson, N., Potočnik, K., & Zhou, J. (2014). Innovation and creativity in organizations- A state-of-the-science review, prospective commentary, and guiding framework. Journal of management, 40(5), 1297-1333.
とはいえ両者の位置付けは微妙に異なります。創造性がアイディアを創造する段階、革新性がアイディアを実行する段階、という分け方になっているようです。そのため、創造性は革新性の初期段階にあるという包含関係にしている論文もあるとのこと。
では、組織の中で働く個人の創造性・革新性についてはどのように述べられているのでしょうか。
創造的・革新的な仕事を好むか、定型業務を好むのかは、意味生成過程(sensemaking process)、意欲(motivation)、知識とスキル(knowledge and skills)という三つの要素によって決まってくるとしています。
さらには、創造的・革新的な行動へのモティベーションには、そうした行動に関する以下の三つの思考によって定義されるとしています。①公正に扱われるかという認識、②できるという感覚、③関心度合いの三つです。
こうした要素と関連する個人の志向性はなんでしょうか。著者たちはその一つとして、目標志向(goal orientation)を挙げています。まず、目標志向を学習することで有能感が形成されます。次に、何かに習熟しようとする志向性は革新行動と有意な関係性を持っていることにも注目するべきでしょう。