今回は自己制御期(self-regulating)における対応についてです。前回まで扱った自己組織化期(self-organizing)と同様に、前提となる考え方を提示した上でサビカス先生は仮説を提示しています。
前提となる考え方
自己組織化期は生後約18ヶ月までとサビカス先生は置いており、その後の幼少期や前期青年期が自己制御期です。この時期には、社会への適応のために自分自身の感情や行動を制御することができるようになると考えているということのようです。
こうした前提に立った上でサビカス先生はいくつかの仮説を提示しています。仮説の数値は括弧内に記載しますが、自己組織化期から続いている数値となっています。
未来志向による制御
ここで注目すべき点は、自己制御期になると環境への適応に未来や目的への志向性が伴うようになるということです。現在時点における周囲との相互作用に、未来という時間軸が加わり、それによって制御が備わってくるという関係性でしょうか。
欲求、関心、価値観への着目
自己制御期において私たちが抱いていた、欲求、関心、価値観という三つの動機は、将来における職務への適合度合いを図る際に活用できるとサビカス先生は考えているようです。だからこそ、彼のキャリアカウンセリングではこの時期における上記の動機を丁寧に聴き出していると考えられます。
目標志向性が環境適応を形作る
目標への志向性が、社会や外部への個人の適応のあり方を形成します。その上で、自己制御期に置いて形作られたものが長期間にわたって継続するということなのでしょう。
親からの影響
自己制御期においても、親からの影響は大きいようで、親によって付与された社会的規制が大きな役割を担うようです。それによって、社会においていかに対応するかという適応のあり方が形成されます。