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【読書メモ】探索的因子分析:『心理学・社会科学研究のための構造方程式モデリング Mplusによる実践』(村上隆・行廣隆次監修、伊藤大幸編著、谷伊織・平島太郎著)第4章
因子分析には探索的因子分析と確認的因子分析の二つがあります。『心理学・社会科学研究のための構造方程式モデリング Mplusによる実践』の第4章では探索的因子分析について解説されています。探索的因子分析は直近の研究でも扱ったのですが、本書を読むと、私はHOWに意識が向きすぎて内容を深くは理解していなかったと反省しました。探索的因子分析をこれから行う、量的調査があまり得意でない大学院生にとって必読の章です。
因子数の検討
スクリープロット
SPSSで探索的因子分析を行う場合、「各因子がすべての観測変数の分散をどの程度説明するか」(92頁)を表す固有値によって因子数を検討することがよくあります。その際の判断基準の一つにスクリープロットがあります。こんな感じのものです。
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スクリープロットとは、観測変数の相関行列の固有値を縦軸、固有値の番号を横軸に置いたグラフのことです。
ガクンと固有値が落ちた手間の固有値の数が因子数の有力な候補となると考えます。ただ、その直前の二つの値がほぼ同じ値の固有値の場合にはより多い因子数を採用することを著者は推奨しています。
ガットマン基準
ガットマン基準とは、「固有値が1.0以上の数を因子数として決定しようとする基準」(93頁)です。これ、私、スクリープロットに基づく判断とごっちゃにしていました。。
因子の推定法
SPSSで行おうとすると、最尤法、最小二乗法、主因子法、などを選択できます。現時点では最尤法が最も推奨されていると著者はしています。
最尤法は、「モデルから見たときに、手元のデータが得られる確率を最大化するようなパラメータの組み合わせを見つけることを目的」(94頁)にした推定法です。この特徴から、(正直詳しい理由までは分かりませんが)サンプルサイズが十分に大きいときに偏りのない推定結果を示してくれるようです。言い方を変えれば、サンプルサイズが小さい場合には最小二乗法の方が良いケースがあるようです。