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【超訳】サビカスのキャリア理論(11/14)

今回は職業アイデンテンティティーについて扱います。サビカス先生のキャリア構築理論の考え方、またその基底をなす社会構成主義の考え方にも触れられるような気がする(?)興味深い箇所でした。

思慮分別期の前提(再掲)

(原文)
Social actors who pursue goals can deliberate as an autobiographical author to conceive a vocational identity and compose a career story that imposes continuity and coherence on their actions over time.
Savickas(2019)、30頁
(DeepL翻訳)※一部引用者修正
目標を追求する社会的行為者は、自伝の著者として職業的アイデンティティを構想し、時間の経過とともに自分の行動に連続性と一貫性を付与するキャリアストーリーを構成するために熟考することができる。

職業アイデンティティーの形成

アイデンティティーは、他者との相互作用を伴う社会生活においてナラティブとして形成されるものであり、複数のアイデンティティーから個人は構築されているという考え方をサビカス先生はとっています。

では職業におけるアイデンティティーは何から形成されるのでしょうか。

(原文)
The four distinct reflexive schemas produce four different strategies for forming a vocational identity and dealing with career concerns.
Savickas(2019)、35頁
(DeepL先生訳)※一部引用者修正
四つの異なる内省的スキーマは、職業的アイデンティティを形成し、キャリアに関する懸念に対処するための四つの異なる戦略を生み出す。

四つの異なる内省的スキーマとは、①autonomous reflexivity(親や他者からの要求を気にせず直接的に行う内省)、②communicative reflexivity(親や重要な他者からの承認を得られた後に行う内省)、③meta-reflexivity(親の生き方に対する批評的な自己対話としての内省)、④fractured reflexivity(他者との関係性が希薄で孤独感を感じる個人に閉じた内省)、として挙げています。

自分がとる内省の枠組みが異なれば、それによって職業アイデンティティーの形成のあり方も異なるという考え方は面白いですね。キャリア構築を主観的なものとして捉えるサビカス先生の大前提がよくわかる一面のようにも思えます。


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