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【論文レビュー】組織コミットメントの三つの下位次元は離職意思にどのように影響するのか?:Bonds(2017)

本論文では、カスタマーサービス業で働く方々を対象として、組織コミットメント離職意思にどのように影響するのかを明らかにしています。社員の離職に困っている企業組織の方にとっては、(結論はわりとフツーですが)一読の価値がある論文かもしれません。

Bonds, A. A. (2017). Employees' organizational commitment and turnover intentions (Doctoral dissertation, Walden University).

組織コミットメント

組織コミットメントをどのように測るかは長い間議論になってきました。ある程度の着地を見たものとしては、Meyer et al. (1993)が示した①情緒的コミットメント(affective commitment)、②継続的コミットメント(continuance commitment)、③規範的コミットメント(normative commitment)、という三次元構成のものです。

そちらを以前まとめたものがあるのでよろしければご笑覧ください。

英語論文はちょっと、、、という方は服部先生の好著『組織行動論の考え方・使い方』をお読みください!

離職意思

離職意思(Turnover Intention)は、Roodt (2004)が開発した尺度の短縮版であるTIS-6(Turnover Intention Scale-6)で測っています。

組織コミットメントと離職意思の関係

ざっくり考えれば、組織コミットメントが高いと離職意思が低くなるということは肌感覚的にお分かりの通りです。研究として成り立たせるために、著者は三次元で見ることによって、組織コミットメントのうちどれが離職意思に影響するかを具に見ています(この研究デザインも切り口が斬新というわけではありませんが。。)。

本論文での結果としては、情緒的コミットメントと継続的コミットメントは離職意思とすごく弱いが正の相関関係があり、規範的コミットメントは中程度に負の相関関係がある、というものです。つまり、この組織に残らなければならないという規範的な意識に対して働きかけることが、社員の離職を防ぐことができるというものです。

アメリカ企業でもこのような感じなのかと思うと、日本企業もフツーなのかもなと妙に得心するような読後感でした。

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