【統計のキソ】いまさら聞けない因子分析の基礎
組織で働いていると、エンゲージメント・サーベイを受けることがあるのではないでしょうか。その際に多くの設問に回答すると思いますが、いくつかの設問を一つのカテゴリーに括ってデータを出していることが多いでしょう。同じような回答傾向を持っている設問を括るための分析が因子分析です。
尚、カテゴリーを括る際に、コンサルのKKDに因る提案を鵜呑みにしたり、他社の事例に合わせて適当に分類しているだけのことも多々ありますので、設問とカテゴリーがあっても因子分析を行なっているかどうかはあやしいです。実施している人事部門に尋ねてみると良いでしょう。多くのケースで嫌がられそうですが。。
因子分析とクラスタ分析の使い方の違い
因子分析は、目的変数がない場合の多変量解析の一つです。量的データを分析して、量的データ(因子付加量と言います)として結果を出すという特徴を持っています。
他方で、グループのような質的データとして結果を出す分析もあり、こちらはクラスタ分析と言います。たとえば、ある高校の三年生が英語・数学・国語・理科・社会のテストを受けた結果のスコアをクラスタ分析すると、私立文系(英国社:高い、理数:低い)・私立理系(英数理:高い、国社:低い)・国立文系(英数国社:高い、理:低い)・国立理系(英数国理:高い、社:低い)という四つのクラスタに分かれる、というようなイメージです。
因子分析をする際の留意点
先行研究を用いて因子分析を行う場合は検証的因子分析を行うことが通常です。検証的因子分析を行う際には、先行研究で行われた対象群とずれていないかを確認する必要があります。言い方を変えれば、検証的因子分析で先行研究と異なる結果が出た場合には、対象群の相違がどうだったのかを確認することが大事でしょう。
SEMの代替法
複数の変数間の関係を明らかにするものがSEM(Structural Equation Modeling:構造方程式モデリング)です。SEMはAmosを利用する必要があるのですが、私のMacBookだと使えないんですよねぇ。。
そこでSEMの代替方法として、①因子分析を行い、②回帰分析を行う、という方法があるそうです。具体的には、因子分析の結果として得られる因子得点を観測された変数と見做した上で回帰分析を行う、というロジックによって代替することができます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?