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【論文レビュー】プロアクティブ行動についてわかっていること:Crant(2000)

ある概念について丹念に先行研究を行い、他の概念との関係性や内容について調べてくれている論文をレビュー論文と言います。本論文は、プロアクティブ行動についてのレビュー論文でして、プロアクティブ行動とは何かについて理解する上で大変ありがたい存在の一つです。

Crant, J. M. (2000). Proactive behavior in organizations. Journal of management, 26(3), 435-462.

プロアクティブ行動とは何か

プロアクティブ行動について著者は、「現在の周囲の環境を改善したり新しい環境を構築する自発的な行動」と定義しています。原文は以下の通りです。

taking initiative in improving current circumstances or creating new ones
Crant (2000) p.436

ポイントとなるのは二点でしょうか。まず自発性に基づく行動であることであり、次にその行動によって現在の環境を改善したり新しく望ましい環境を創り出すことが志向されているという点です。

影響関係について

プロアクティブ行動に影響を与えるものや、行動の結果として出力されるものをまとめたものが以下の図です。こういうモデルがありがたいのです。

Crant (2000) p.438

著者が特に説明しているのは図の左上にあるプロアクティブ行動を構成する個人特性についてです。プロアクティブ・パーソナリティと個人的自発性(personal initiative)の二つは自らプロアクティブ行動を促進するものであるのに対して、役割拡大自己効力感(role breadth self-efficacy)と率先(taking charge)は環境に依存する側面もある特性であるとしています。


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