【統計のキソ】現実的な因子分析のステップ
教科書を片手に因子分析をしてみると簡単にできるのですが、実データに基づいていざやってみると何をどうやるのかわからなくなります。それぞれの手順の関係性が見えなくなるというか。ただそれは、それぞれの特徴と内容への理解が充分に弱いからなんですよね、少なくとも私の場合は。実データを用いた分析について説明していた際に、いただいたフィードバックの中で教えてもらった小塩先生の以下のサイトに基づいて、実証研究における現実的な因子分析の使い方について備忘録を残しておきます。何よりも自分のために。
確認的因子分析と探索的因子分析
まず、二つの因子分析の使い分けについてです。なんとなく理解してはいたものの、確認的因子分析は先行研究での結果に基づいた仮説検証型で、探索的因子分析は仮説構築型のものです。仮説検証型の場合は、まず確認的因子分析を行い、その後に以下にあるような探索的因子分析を行うというステップになり、仮設構築型の場合にはすぐに探索的因子分析を始める、という進め方です。
探索的因子分析は二回以上行う
一回目と二回目以降の目的の相違をざっくり言えば、一回目は何因子構造かを探索するためで、二回目以降はその検証を行うことが目的です。そのため、一回目は因子数を設定せずに行います(SPSSで言えば「抽出の基準」の「因子数」の欄をブランクにする)。
この一回目の探索分析のスクリープロットから因子数の仮説を導くことができるので、その仮説に基づいて二回目では因子数を設定して(SPSSで言えば「抽出の基準」の「因子数」の欄に数値を入力する)、探索的因子分析を行います。
結果の出力については、パターン行列を見て複数の因子に対して因子負荷量が高かったり、いずれの因子にも因子負荷量が低いものがないかを探します。それらに該当するものがあれば、変数の指定から外して三回目以降の探索的因子分析を繰り返す、というプロセスです。
因子相関行列で確認
その上で因子の構造が見えた時点で、因子間相関行列を確認して、相互の因子の相関が適切(=低すぎず高すぎない(この辺の判断が実証研究が不足している私にはなかなか難しいのですが。。))かを見ることになります。
感想
実証研究に慣れるための難易度は、①論文を読んで流れを理解する < ②教科書でデータを用いて手を動かしてみる <<<<<< ③自分の実データで分析する、という感じで難しさが上がるなと痛感しました。先は長いですね、やれやれ。
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