サビカス先生がキャリア構築理論について書かれた文献の説明パートの最終盤をまとめます。キャリア構築理論の4つの「construct」として提示しているconstruct、deconstruct、reconstructについて前回までで扱いました。今回は最後のcoconstruct(共構築)のポイントを扱います。
共構築はなぜ大事なのか?
サビカス先生は、キャリアについてクライエント自身で構築するだけではなく、クライエントと共にカウンセラーが共に構築することが重要だとしています。それはなぜなのでしょうか。
キャリア構築インタビューを通じてクライエントが自身のキャリアに対して新たな気づきを得るプロセスは、通常、キャリア・カウンセリングという場で行われます。サビカス先生は、キャリア・カウンセリングという臨床の場に臨むクライエントの多くは、自分自身でキャリアを構築することが難しい人々であるとしています。
当たり前と言えば当たり前ですが、独力でキャリアを切り開いていけるタイプの方はキャリア・カウンセリングを受けに行くことは少なそうですよね。反対に、そうでない人はキャリア構築を行うことは難しいでしょう。そうした一人でキャリアを構築することが難しい方々を見ていて、サビカス先生はクライエントとカウンセラーとでキャリアを共構築する重要性を述べるようになったのではないでしょうか。
共構築
では共構築とは何でしょか?
サビカス先生は、クライエントが次の一歩を踏み出すために何をするかの優先順位を明らかにしたり、現時点でのズレを把握することが共構築によってできるとしています。すごく簡単に言ってしまえば、クライエント一人で構築するだけでは気付けないものをカウンセラーと共に構築することでこのようなことを成し遂げられるということなのでしょう。
そして行動へ
ここまでで構築、脱構築、再構築、共構築という4つのプロセスをまとめ終えました。最後にサビカス先生は、その上でアクション(行動)にまで至らなければ意味がないとして行動の重要性を指摘しています。行動することでキャリア構築を次の段階へ進めることができるとしているのです。
こうして4つの「構築」と最後の行動まで含めて、一文で要約してくれています。ありがたや。