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【超訳】サビカスのキャリア理論(10/14)

思慮分別期においては、内省が重要であるとして、サビカス先生は三つほど考え方を提示しています。

思慮分別期の前提(再掲)

(原文)
Social actors who pursue goals can deliberate as an autobiographical author to conceive a vocational identity and compose a career story that imposes continuity and coherence on their actions over time.
Savickas(2019)、30頁
(DeepL翻訳)※一部引用者修正
目標を追求する社会的行為者は、自伝の著者として職業的アイデンティティを構想し、時間の経過とともに自分の行動に連続性と一貫性を付与するキャリアストーリーを構成するために熟考することができる。

内省の重要性

(原文)
(31) CCT uses the term biographicity to denote the use of reflexive schemas to conceive vocational identities and compose career narratives in a "two-stage process" (Stedmon & Dallos, 2009, p.5) of retrospective reflection and prospective reflexivity.
Savickas(2019)、31頁
(DeepL先生訳)※一部引用者修正
(31) キャリア構築理論(CCT)では、伝記性という言葉を用いて、回顧的反省と展望的反省という「二段階プロセス」(Stedmon & Dallos, 2009, p.5)において、職業アイデンティティを構想し、キャリアナラティブを構成するための内省的スキーマを用いていることを表現している。

キャリアの視点を回顧展望で見定めたのはエドガー・シャインでした。サビカス先生もまた、将来を描くためには過去の経験を内省することが重要であると述べています。

伝記によって表されるもの

(原文)
(32) CCT views biographicity as a means by which individuals mediate the effect of social systems and cultural structures on their personal agency and courses of action, specifically in regard to the occupations that they seek, keep, or quit.
Savickas(2019)、32頁
(DeepL先生訳)※一部引用者修正
(32) キャリア構築理論(CCT)は伝記性を、社会システムや文化構造が個人の主体性や行動指針に及ぼす影響を媒介する手段、特に、求める職業、維持する職業、辞める職業に関してととらえている。

自分自身の過去の経験を伝記によって表現することは、自身の身の回りにある社会や文化を職業において捉える手段としてサビカス先生は捉えています。物語るためには言語が用いられるものであり、言語とは社会的・文化的な構築物と考えられますので、語ることには社会や文化と自身との統合が見出されるのでしょう。

反省的スキーマ

(原文)
(33) Autobiographical authors differ in their reflexive schemas for deliberating about life design and career construction.
Savickas(2019)、32頁
(DeepL先生訳)※一部引用者修正
(33) 自伝的作者は、人生設計やキャリア構築について熟慮するための反省的スキーマに違いがある。

自分自身のライフやキャリアをデザインする上で内省が重要だよということを、サビカス先生は改めて提示しています。


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