【芸能には共通?】上手な踊りは、解像度が高い?!
皆さん、踊りを楽しんでいますか??
こんにちは、高尾可奈子です!
古今東西問わずに、日々様々な芸能・文化・芸術を鑑賞、実践、考察、記録している中で、
あれ?もしかして、、!と思うことがあります!
それは、、
芸を高めていくと、芸の解像度もどんどん高くなっていくのでは、、!?
という発見です!
恐らく、多くの方にとっては、
解像度とは??分かりやすく言うと??と
ハテナも多いかと思うので、細やかに考察していければと思います!
文章の解像度も上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、早速参りましょうー!
芸に対する姿勢の違い?
皆さんは、プロとアマチュアの違いは何??
と聞かれたら、どう答えるでしょうか?
それ一本で生計を立てられているか。
多くの人が見て聴いて、上手だと思うかどうか。
所属組織やコンクール優勝など肩書があるか。
人によって、その考え方はそれぞれなようで
どの業界や世界でも、議論になるテーマなのかも知れませんね!
現代の日本の芸事の世界では、このラインは非常に曖昧で、ライン上にいる人口も多い気がします。
というのも、文化芸術芸能というのは、なかなか一年を通して安定した収入が得にくく、さらに需要以上になりたいという人が多い人気職種だから。
そして、プロとアマチュアの大きな違い。
それは、、
芸に対する姿勢・取り組み方法の違い
だと考えます!
常に昨日の自分、前回の自分よりも一歩上に進めるように創意工夫して取り組む姿勢。
できるまで何度も、何年も、、継続して苦しいことも行い続ける、あきらめない姿勢。
ライバルを認め、師匠や先人たちを敬い、良いものから多く吸収しようとする姿勢。
過去や、環境や、周りのあらゆるものに意識を向け、感謝を忘れない姿勢。
こういった姿勢は、人生をより良いものにしていこうとする価値観とも共通しているのではないか、と思います。
ひとつの芸に対しても、丁寧に向き合うことができるのがプロの姿勢のような気がしています。
まだまだ可能性がある段階で、自身の中で満足したり、、
見せくれるお客様や、支えてくれるスタッフの方々目線で見られなかったり、、
こういった考え方でいるのが、アマチュアなのかなと感じます。
(それで収入を得て食べていなくとも、プロレベルのパフォーマンスをされる方も多くいる理由も、この姿勢なのかなと思っていたり。)
私も、さらに姿勢を見直したいところです、、!
ただ、アマチュア的思考が悪いということでは、全然ありません!
プロ思考は、時として完璧主義となり人の精神を苦しめる場合も。
それを人に向けると、言葉や態度での攻撃になってしまうことも。
芸の上達には、必要になる考え方でも、度がすぎると害になってしまいます。
アマチュアの本気で楽しむ姿勢は、プロが忘れがちなところですし、場に応じて使い分けられるのが最強なのかもしれませんね。
そして、その姿勢がそのまま、芸に表れているのが、とっても面白いところです!
踊り上達と思考プロセス変化とは?
盆踊りを始めた頃は、とにかくお手本を見て、必死で食らいついて同じ動きで動こうと頑張る。
そして、動きのパターンや踊り方が少し掴めてきたら、身体をよりお手本通りに動かせるようになってくる。
お手本なしでも頭と身体で覚えた通りに動けるようになって、同時に手先足先まで意識を向けて踊れるように。
音を聞きながら、そこに身体をはめるように自在に踊れるようになって。
演奏や空間に合わせて、様々なパターンや身体感覚で踊り分けられるように。
さらには、多様な動作パターンを身につけて、即興で盆踊りを踊れるまでに。
一見シンプルな盆踊りでも、上達の過程にはこういった多くの段階があるように思います。
そして、こうしたプロセスを経ていく中で
身体だけではなく、実は、、
頭脳の処理過程も飛躍的に進化していくのです!
踊りというと、まさに身体表現の世界ですから、
ただ身体のままに身体が動いていると思われがちです。
がしかし!
身体を動かすのは、筋肉や神経。
その細かなパーツに指示を出すのは、司令塔である頭です!
五感で情報を受け取ると、即座に脳内で情報処理が行われて、感情・思考が生まれます。
そこから、意識的または無意識に、身体を動かす指令が電気信号として伝達されて、体が動くのです。
芸の上達は、このプロセスが次第に変化していくことで可能になると、私は思います。
具体的には、、
身体を動かす電気信号が、よりスムーズに広く身体全体まで伝わるようになり
さらには
意識的に行っていた一連の流れが、次第に無意識状態で行われるようになる
こういった変化が起きるのです!
無意識の圧倒的なパワー
特に古典芸能の世界では、東西問わず
基本的な型が重視され、取り組まれています。
では、なぜそれほどまでに型を重視して、
熟練の人さえも、何度も何度も繰り返し行い続けているのでしょうか、、
それは、、
その芸の基本であり、一番の身体と精神の支えとなり、そして美しい完成された形を、身体に刷り込み無意識化させることで、
どこまでも自由自在に、さらなる高みの世界を表現できるようになるから、かもしれません。
皆さんも、こんな経験はありませんか?
部活動のスポーツで、毎日練習を重ねて、前は出来なかった動きが考えずに簡単にできるようになった!
カラオケで、同じ歌をたくさん練習したら、前は声枯れしていた一番高い高音も、楽チンに出るようになった!
仕事で、お客様のオーダーを3つ以上覚えられなかったが、数ヶ月後には7つは簡単に覚えられるようになった!
こういった成長は、どれも思考回路が段々と強固になり、スムーズにインプットからアウトプットまで行えるようになり、無意識でもそれが可能になったからでしょう。
言い方を変えると、、
癖づく、定着する、と表現できるかもしれませんね。
さらに、一度獲得した技能や技術は、
神経レベルで再現できるようになっており、
無意識にできるようになったことはなかなか忘れないのも、凄い点です。
ある意味、良くない癖を無くすことが難しいのも、こうした理由があるからでしょうか。
上手な方向で、この機能を使っていきたいところですね!
この無意識を活用した成長の方法を、意識的に取り入れて使うことができれば、踊りはどんどん良いものに変わっていくことでしょう!
盆踊りを無意識化?
それでは、盆踊りを踊り続けていくと、、
脳内でどういった変化が起こっていくのか
具体的に見ていきたいと思います!
常に課題を意識しながら、少し先のことをできるように取り組むという、私的理想スタイルで踊りを重ねた場合を考えてみます。
①新しい体験、感動体験
(意識→楽しい、新しい、難しい、疲労、もっと踊りたい
無意識→まだまだ多くが眠った状態、過去の経験から蓄積された記憶や感覚が刺激される)
ものごととの出会いは衝撃的なもので、一番心が動く時期でもあります。
この時期は、感情で頭がいっぱいになりやすく、踊り自体が未知なるものですから、踊る体験自体に意識が支配されている状態です!
②何度も真似る、反復する
(意識→もっと踊りたい、上手くなりたい、知が増える
無意識→動作が身体に定着し始める第一段階へ、集中力の高まり)
踊りの楽しさに目覚めた後は、盆踊り会場に通うようになったり、動画で盆踊り振り付けを予習復習したりと、、踊る機会が増えていきます。
まだまだ盆踊りのことについて知らないことも多いけれど、お手本とされる踊りを見て、見よう見まね、どんどん真似をする。
定番の曲や、お馴染みの振り付け動作、その組み合わせを、ひたすらに何度も繰り返し踊ってみる。
失敗や間違いもこの段階では頻繁に起こります。
しかし、踊りたいという強いモチベーションで、上達スピードも速く、楽しさと難しさ両方を感じる時期かもしれません!
そして、繰り返し考えながら動作することで、思考→行動のプロセスに変化が生じます。
③パターンを覚え、身体の自由度が高まる
(意識→振り付けを覚え始めた、基本の型が分かってきた、身体がスムーズに動く
無意識→簡単な動作を記憶、出力。メインの視覚以外に聴覚もより働き始める)
繰り返しの訓練によって、簡単な動きから身体に定着し始めます。
一度覚えたもの、できるようになったことは、後は継続していけば、維持出来て、さらに踊りが上手くなる大切な土台となります。
例えば、、
初めは、かざす動作も誰かの動きを見ながら、
手を出すタイミングや手の角度や動線、足の動かす向きや幅など、一つ一つ確認しながらでないと出来なかったかもしれませんね。
しかし、繰り返し確認しながら、かざしの動作をしているうちに、いつの間にか何も考えなくても、実際に自分の動きを鏡や動画や目視で確認しなくても、上手にできるようになっているのです!
こうして、他の振り付けの動作も次々と、無意識でも出来るようになっていくことで、より難しい型や動作にだけピンポイントに意識を向けて取り組めるように思考→行動プロセスは進化していきます。
④振り付け暗記、手足体幹の細部神経まで行き届き
(意識→自分の身体と向き合い、各部位を細かく分けて意識、実践、修正。
無意識→領域が広がる段階、音にも反応するように)
繰り返し踊り、意図的に振り付けの形や順番を覚えようと努力すると、振り付けの暗記は早くなります。
お手本を見ずに踊れる曲数も増えて、スムーズに動けるようになった、踊りやすくなったなと感じることでしょう。
考えずに、考える前に、身体が動き出す感覚は、その動作をひとまず習得した証ですね!
そしてその分だけ脳では、他のことを考えるスペースが生まれて、手先や足先などより細かな部分まで意識して動かせるようになっていきます。
さらには、体幹、インナーマッスルといった身体の見えない部分のコントロールにまで、意識が向けられるように、、!
常に足元を強く踏みつけ、進み続ける盆踊りには、身体のブレのなさが上達の鍵となるようです。
⑤音を捉える感覚(間)、身体感覚のバリエーション増
(意識→音が良く聴こえてくる、流れやうねりを感じる。感情意識より先に身体から興奮や鎮まりを感じる。
無意識→ゾーンに入ることが増える。五感が更にフル稼働。記憶の蓄積、引き出しが増え開きやすく)
身体のポジショニング、先端部分まで独立して自在に動かせるようになると、心も頭も余裕が生まれてきます。
すると、盆踊り会場が実はかなりの情報量に溢れていることに気づくかもしれません!
今までは何となく太鼓のビートで捉えていた音頭が、一つ一つの楽器の音や日本の囃子特有の音のうねり、間合いをはっきり感じられる段階です。
また、身体の感受性がより高まり、音や合いの手など周りの声、隣の人との感覚や他者の踊りなど、様々な周辺の要素を体感しながら、自身の踊りとして出力できるように。
ある意味では、環境に身体を委ねられるくらいに、踊りの技術面も安定してきているということですね!
繊細に身体が反応して動けるということは、同じ振りや同じ曲でも踊り分けられる表現力が増していくことにも。
⑥多様な動作の習得と型の完成、即興の振りや動きまで
(意識→無意識領域を意識的に引き出せる、豊富な知識と動きの定着
無意識→長期記憶に定着、豊富な動作と感覚の引き出しと自在な開け閉め)
この段階になると、どんな曲でも考えずに最小限の力で、理想とされる形で踊れてしまう。
そして、広く空間を捉えて、さらには時間までもがゆっくりに感じられることでしょう!
簡単にゾーン状態に入れるように。
盆踊りを何時間も踊っていると、ボーっとしてきて、トランス状態に入る、こうした経験をしたことのある方も多いでしょう。
没頭しながらも、俯瞰的な視点でみているような精神状態、、
意識せずとも身体制御は出来ており、頭は余白部分もあり、自由自在な状態です。
膨大な経験や記憶が、現在の刺激と無意識レベルで結びつき、新たな発想が偶然に生まれる、、
そんなセレンディピティが起こる条件も揃っています!
ふと、知らない曲が掛かっても、曲のリズムや雰囲気を感じるとほぼ同時に、盆踊りの振り付けを考え出して踊れるような、凄い状態が可能となるでしょう!
踊りの解像度を上げて、上達!?
植物は、土の中で養分や水分を吸収しながら、手のひらを指先まで広げていくように、細い根を太く長く増やしながら広げていき、茎や葉を成長させて花を咲かせます。
踊りの上達も、この仕組みに似ているような気がしています!
急に上手く踊れることは不可能かもしれませんが、意識的に目の前の課題を見つけて、できる範囲のことから一つまた一つとクリアしていく、、
階段のように着実にステップを上がっていき、それを土台にしてまた成長を続けていく、、
その際の、脳の働きは、、例えるならばまるでTVの画質の進化のようです!
100年で、白黒からカラー、アナログ、地デジ、ハイビジョンさらには4K8Kといった圧倒的な進化ですよね。
経験や訓練によって、踊る身体感覚・神経・脳の働きは、どんどん細分化され定着していきます。
はじめはひとつの動作だと認識していた振り付けも、実は5〜6個の細かな動作から出来ていると知ったり。
音が1拍のリズムしか聴き取れなかったのが、1拍が8つに分かれて聴き取れるようになったり。
同時に2つの身体パーツを個別に動かすのがギリギリできていたのが、4つ同時に動かせるようになったり、、
脳から全身に司令を送る神経回路が、発達していくことで、どこまでも素晴らしい踊りが可能になるかもしれませんね!!
いかがでしたでしょうか?
今回は、盆踊りの上達について、訓練と習得による脳の発達・無意識領域に焦点を当てて、独自の考察で考えていきました。
少し難解な内容だったかもしれません!
脳科学や発達心理学、無意識についての説明や研究の根拠となる部分までは、今回載せきれなかったため、興味を持たれた方は、是非色んな本を手にとって読んでいただけると大変嬉しいです!
ダンス歴25年、声楽歴8年、毎日オリジナルの訓練を続ける経験に基づく考え方を、読んでいただきありがとうございました!
何かご感想や、こういった考え方もあるよという場合は、コメントお待ちしています。
以上、高尾可奈子でした!