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『日本の巨大ロボット群像―鉄人28号、ガンダム、ロボットアニメの浪漫―』鑑賞レポート
京都文化博物館で好評開催中の特別展『日本の巨大ロボット群像―鉄人28号、ガンダム、ロボットアニメの浪漫―』を鑑賞した。
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日本のアニメと言えば『機動戦士ガンダム』に代表される巨大ロボット。
この日本で生まれた「巨大ロボットとは何か?」をテーマに、リアリティを与えるために工夫されたメカニズムや大きさなどにスポットをあて、映像表現の歴史を辿ろうというのが今回の展覧会だ。
70代、60代の男性のお客さんが、少年のように目をキラキラ輝かせて展示に見入っていたのが印象的だった。
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さて「日本で最初の巨大ロボットアニメ」と言えば何だろうか?
巨大でなければ『鉄腕アトム』だが、巨大ロボットの元祖は、そう!『鉄人28号』だ。ストーリーを乱暴かつ簡単に言うと「リモコンの奪い合い」である。『鉄人28号』の最初の映像化は、実写ドラマだったそうだ。
その後テレビアニメ、劇場映画など…時代とともに変化した鉄人28号のデザインを見比べることができる。
私が子どものころ、92年には『超電動ロボ 鉄人28号FX』という大変スタイリッシュなアニメが放送されていて、その「FX」の展示を懐かしく眺めた。
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「ガンダムを歩く」コーナーでは、床にプリントされた実物大18mのガンダムの上を歩くことで大きさを実感できる。
このコーナーでは、セル画を重ねて遠近感を出していた当時のアニメ制作の工夫のほか、当初案の『ガンボーイ』から、あの白と青と赤と黄色のデザインの『ガンダム』になるまでの変遷が展示されていた。
途中のガンダムには「鼻と口」があったり、もっとカラフルだったり…
「某国がパクったらこんな風になりそう!」という案も何枚かあった。
「いかにリアリティを持たせるか?ホンモノの兵器に見せるか?」という点について、大変な苦労の跡が感じられた。
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その後『ボトムズ』に登場するアーマードトルーパーは、よりサイズダウンして兵器としてのリアリティが追求され『ガンダム』に始まるサンライズの“リアルロボット路線”は頂点に達したのである。
ほかに楽しかったのが『ガンダム』のモビルスーツの原点とも言われる『宇宙の戦士』の“起動歩兵”の中に入っているような写真を撮影できるパネルだ。是非、写真を撮ってほしい。
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この展覧会、音声ガイドを務めているのが、銀河万丈さんと水樹奈々さんのお2人。銀河さんの声を聴きながら展示品を眺めていると『なんでも鑑定団』を見ている気分になり、水樹さんの声が聞こえると「なか卯で牛丼食べて帰ろう」という気持ちになってしまうが、是非音声ガイドも借りてほしい。
『日本の巨大ロボット群像―鉄人28号、ガンダム、ロボットアニメの浪漫―』は9月1日まで京都文化博物館で開かれている。
料金は一般1,800円。おじいちゃん、息子さん、お孫さんと、三世代で楽しめるに違いない。