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筋トレでトライアスロンを強化する。

なぜ筋トレを始めるか

2018年からトライアスロンに挑戦し、これまでに約30回大会に出場してきました。オリンピックディスタンス(OD)では2時間半を切り、ロングディスタンスの佐渡国際トライアスロンでは13時間切りを、海外アイアンマンレースでは12時間半での完走を達成しました。

トライアスロン歴は6年目を迎え、確実に経験を積んできましたが、さらなるレベルアップのために筋力トレーニングを導入することにしました。

なぜ筋トレに興味を持ったかですが、周りのトライアスリートと比べて自分の体全体が細いこと、オープンウォータースイミング(OWS)の大会で上位に入る選手が筋肉質な体型であること、そしてバイクのFTP(Functional Threshold Power)がここ数年伸び悩んでいることです。これらの課題を解決し、さらにタイムを短縮するために、筋トレを始めることにしました。

トライアスロンと筋トレの重要性について

筋トレがトライアスロンにどのような効果をもたらすのかを調査していく中で、多くのエリートトライアスリートが筋力トレーニングを積極的に取り入れていることがわかりました。その効果は大きく分けて3つあるようです。

  1. スピード向上
    筋力が増強されることで、瞬発力とパワーの向上が期待できます。これにより、バイクやランニングでのスピードアップが可能になります。特にバイクでは、筋力が強ければ強いほどペダルにかかる力が効率的に伝わり、結果として速度の向上が見込めます。

  2. 持久力の強化
    筋トレは持久力の土台を支える筋持久力を高めます。トライアスロンのような長時間の競技では、筋肉が疲労に耐え、持続的なパフォーマンスを発揮することが重要です。調査によると、筋肉が効率的に機能することで、エネルギー消費が最適化され、レース後半でも体力を維持できることが確認されています。

  3. フォームの改善
    筋トレによって体幹を鍛えることで、特にランニングやバイクでの姿勢を安定させ、効率的なフォームを保てるようになります。正しいフォームを維持することで、エネルギーのロスを防ぎ、より長く高いパフォーマンスを発揮できます。水泳でも、肩周りや背中の筋力強化によって、より力強いストロークを実現し、推進力が向上します。

また、筋トレが持久系スポーツに与える具体的な効果についても調査を進めたところ、筋力トレーニングはレース中のエコノミー(効率性)を高めることが明らかになっています。つまり、同じ運動強度でも、筋力が強ければエネルギーをより少なく消費してパフォーマンスを発揮できるということです。これにより、長時間のレースにおいて疲労感を軽減し、後半にペースダウンすることを防ぐ効果が期待できるようです。

筋トレとトライアスロンの両立の難しさ

筋トレを取り入れることには多くのメリットがある一方で、トライアスロンと筋トレの両立にはいくつかの難しい点があることもわかりました。私自身も筋トレを導入しようとする中で、知人や他のアスリートから、両方のトレーニングをバランスよく続けることがいかに難しいかという話を耳にしました。

特に、筋肉痛によってトライアスロンの練習に支障が出るという問題がよく指摘されます。私の知人も筋トレを一時的に積極的に取り入れていたのですが、筋肉痛が原因でバイクやランニングのトレーニングに悪影響を及ぼし、最終的には筋トレを中止することを選択ししたそうです。筋トレ後に体が回復するまでに時間がかかるため、翌日のトライアスロンの練習で思うようにパフォーマンスを発揮できないというのは、よくある課題です。

また、筋トレと持久力トレーニングの両立は難しいという声も多くあります。持久力系のトレーニングはエネルギー消費が多く、筋肉の回復を妨げることがあります。一方で、筋トレは筋繊維に負荷をかけて筋肥大や筋力向上を目指すため、筋トレと持久力トレーニングの間で体がどちらの刺激に適応すべきかが混乱し、思うように成果が出にくいという現象も報告されています。特に、トライアスリートは筋肉の増量による重量増加がパフォーマンスに悪影響を与えるリスクもあるため、どのような筋トレを行うか慎重に考える必要があります。

私自身、筋トレを始めるにあたって、このようなリスクを避けるために、トレーニングスケジュールの調整が重要だと考えています。例えば、筋トレを行う日とトライアスロンの高強度練習日を分けたり、筋肉痛が残る日にはスイムや軽めのランなど負担の少ないトレーニングを選択することで、両立を目指しています。また、筋肥大を目的とした高負荷の筋トレではなく、持久力向上や筋持久力に焦点を当てたトレーニングを取り入れることも一つのアプローチのようです。

また、ただでさえ忙しいスイム、バイク、ランの練習スケジュールのどこに筋トレを組み込むかというのも大きな課題です。とりあえず、オフシーズンは週3日の筋トレ、シーズンインしたら週2日の筋トレにする予定です。

スイム、バイク、ランニングに効果的な筋トレ種目

トライアスロンを構成するスイム、バイク、ランニングそれぞれに効果的な筋トレ種目を調査した結果、競技ごとにターゲットとなる筋肉群を鍛えることで、パフォーマンス向上に大きな効果があることが分かりました。

水泳に効果的な筋トレ種目

水泳、特にクロールにおいては、上半身体幹の強化が重要です。調査したところ、以下の筋トレ種目が効果的であるようです。

ショルダープレス:肩と上腕の筋力を強化し、クロール時のストロークを力強く効率的に行うことができます。

ラットプルダウン(または懸垂):広背筋と上腕を鍛え、より大きな推進力を得ることができるため、泳ぎのパワーが向上します。

プランク:体幹の安定性を高め、水中で体がまっすぐに保たれ、抵抗を減らすことができます。これにより、エネルギー効率が良くなり、長距離を泳ぐ際にも疲れにくくなります。

バイクに効果的な筋トレ種目

バイクでは、下半身体幹の筋力が特に重要です。ペダルを効率よく回し、安定した姿勢を保つための筋力を高めることが求められます。

ルーマニアンデッドリフト:ハムストリングスと臀部を鍛えることで、ペダリング時のパワーを向上させるだけでなく、膝の安定性も高める効果があります。

フロントスクワット:大腿四頭筋を中心に下半身全体を強化することで、より強いペダルストロークを実現します。また、体幹も同時に鍛えられるため、ライディング中の姿勢が改善されます。

カーフレイズ:足首の動きを強化することで、ペダリングの最後の蹴り上げ動作が効率的になり、スピードアップにつながります。

ランニングに効果的な筋トレ種目

ランニングでは、脚力の強化に加え、体幹の安定性も重要な要素です。これにより、効率的なフォームを維持し、長時間走っても疲れにくくなります。

ダンベルランジ:大腿四頭筋、ハムストリングス、臀部を同時に鍛えることができ、ランニング時の推進力を向上させます。特に片足ずつの筋力とバランス感覚を高めるため、ランニング時の左右のブレを減少させます。

シングルレッグデッドリフト:片脚での安定性と筋力を鍛える種目で、ランニングの着地時の衝撃を軽減し、ケガの予防にもつながります。また、体幹の強化にも効果があります。

ヒップスラスト:臀部を重点的に鍛えることで、ランニング時に足を後ろに蹴り出す力が強くなり、スピードと持久力が向上します。

水泳、バイク、ランニングそれぞれに適した筋トレ種目があり、これらをバランスよく取り入れることで、競技のパフォーマンスを最大限に引き出すことができるそうです。筋力を適切に鍛えることで、持久力と効率性が向上し、トライアスロン全体のタイム短縮にも寄与することが期待できそうです。

具体的な筋トレプランとトライアスロンへの応用

現在、トライアスロンのスイム、バイク、ランのトレーニングに加えて、週3回の筋トレを行っています。それぞれの筋トレは異なる部位を重点的に鍛えるようにプランを組んでいます。

  • 1日目:上半身
    この日は、ショルダープレスやダンベルロウなど、主に上半身の筋力強化を目的としています。水泳のストロークやバイクの姿勢維持に直結する筋力を高めることを目指しています。

  • 2日目:下半身
    フロントスクワットやルーマニアンデッドリフトなどを取り入れて、バイクやランニングで必要な脚力を鍛えます。特に、ペダリングの効率化やランニング時の推進力を強化することが狙いです。

  • 3日目:体幹と全身の連携
    この日は、体幹と上半身・下半身の連動を重視しています。プランクやバードドッグ、デッドバグなどを通じて、全身をバランスよく使い、安定したフォームを保つための筋力を養います。特にトライアスロンでは、長時間にわたる持続的なパフォーマンスが求められるため、全身の連携を鍛えることが重要です。

このように週3回の筋トレをバランスよく取り入れることで、トライアスロンのパフォーマンス向上を目指しています。それぞれの筋トレがトライアスロンの各種目にどのように役立つかを意識しながら、効率的なトレーニングを行うことが重要だと感じています。

筋トレの効果はどのくらいで現れるか?

筋トレを始めたばかりの私は、週3回のトレーニングを続けていますが、実際にどのくらい続ければ効果が現れるのかは気になるところです。調査したところ、筋力トレーニングの効果が感じられるまでには、個人差がありますが、一般的には4〜6週間が一つの目安となることがわかりました。

特に最初の1〜2週間は、筋肉そのものよりも神経系の適応が進み、動作がスムーズになったり、重さを感じにくくなるという形で効果が現れるそうです。この段階では、筋肉がまだ目に見えて成長しているわけではありませんが、神経の働きによってより効率的に筋肉を動かせるようになるらしいです。

続けて4〜6週間ほど経過すると、徐々に筋肉量が増え始め、トレーニングで使用する重さや回数を増やすことができるようになるみたいです。筋力や持久力の向上を感じると同時に、パフォーマンス全般にも良い影響が出始めることが期待できそうです。ただし、筋持久力を高める目的で行っているトレーニングは、短期間での目に見える筋肥大というよりは、持久力の改善にフォーカスすることが大切だそうです。

私は週3回の筋トレをトライアスロンのトレーニングと並行して行っているため、トレーニング効果が実感できるまでには少し時間がかかるかもしれませんが、3か月から半年続けることで大きな効果が期待できるのではないかと考えています。特に筋肉の耐久性やトライアスロン競技のパフォーマンスにどのような影響があるかを注視しながら、トレーニングを継続していきたいと思います。

筋トレとトライアスロントレーニングにおける食事の重要性

トライアスロンと筋トレを効果的に行うためには、適切な食事が欠かせません。特に筋肉を成長させるためには、トレーニングだけでなく栄養の補給が大きな役割を果たします。私自身、普段は低糖質の食事を心がけていますが、筋肉を育てるために一時的に糖質を増やすことを考えています。

糖質の重要性

糖質は、体のエネルギー源となる重要な栄養素です。特に筋トレや高強度のトライアスロン練習を行う際には、糖質を適切に摂取することで、筋肉に十分なエネルギーを供給し、トレーニングのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。また、糖質は筋肉を修復し、成長させるプロセスにも重要です。適度な糖質摂取によって、筋肉に必要な栄養を送り込み、筋肥大を促進することが期待されます。

低糖質から高糖質へ一時的なシフト

これまで低糖質の食事を続けていた私ですが、筋肉を増やすためには糖質の摂取量を一時的に増やすことが必要だと感じています。低糖質の食事は、持久力を維持しつつ体重管理には効果的ですが、筋トレによる筋肥大を目指す際には、糖質を含む食事がトレーニング後の筋肉修復に役立ちそうです。例えば、トレーニング後には炭水化物とタンパク質を組み合わせた食事を摂ることで、筋肉の回復と成長を促進できるそうです。

これから

筋トレを週3回取り入れることで、トライアスロンのトレーニングをより充実させ、タイムの向上を目指します。上半身、下半身、そして体幹の強化をバランスよく行うことで、競技に必要な持久力やパワーを養い、トライアスロン全体のパフォーマンスを高めたいと考えています。

しかし、筋トレを習慣化し、筋肉痛と向き合いながら続けることは大きなチャレンジでもあります。それでも、トレーニングの効果が少しずつ感じられるようになることで、モチベーションを維持し、これを乗り越えたいと思っています。筋トレを継続することで、トライアスロンの記録をさらに伸ばし、次のレベルに到達することを目指して頑張っていきます。

次回のNoteでは、私が実際に取り入れている筋トレ種目とその効果について、さらに詳しくご紹介していきます。

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