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日本最初の海水浴場での挑戦:ラフウオータースイム in 大磯 2024

大磯照ヶ崎

この場所、どこか懐かしい。駐車場に車を止めて外に出た瞬間、ふと、いつここに来たのだろうと記憶を辿り始めた。大磯と言えば、大磯クリテリウムを思い出すけれど、その時は車で来たはずだ。いや、そうか、湘南国際マラソンの時に、大磯港までバスに乗り、そこから駅まで歩いたときに来たのだ。

駐車場から少し東へ歩いていくと、望遠レンズを構えた人々が浜辺で何かを見つめている。最初はヨットのレースでも見ているのかと思ったが、レンズが空を追っているのを見て、どうも違うらしい。近くの看板を見てみると、「大磯照ヶ崎のアオバト集団飛来地」と書いてあった。そうか、彼らはアオバトを追いかけていたんだ。バードウォッチングに良さそうな迷彩柄の望遠レンズに本気を感じる。

アオバトを狙うカメラマン

ラフウオータースイム

この大会は今年は鎌倉材木座と大磯の二箇所で行われるオープンウォータースイムの大会。材木座では7月に大会があったが、8月24日の大磯3キロにエントリーした。佐渡トライアスロンに出る前に、どうしても一度海で泳いでおきたかったからだ。横浜の海の公園の大会にも先週出る予定だったが、台風の影響で中止になった。今年は大磯海水浴場解説140周年イベントで、3キロ、1.5キロ、リレーの種目があった。本日は3キロ181名、1.6キロ101名、リレー10チームが参加した。

受付

事前送付のハガキを家に置いてきてしまったが、受付にはちゃんと予備があった。安心して誓約書にサインをし、スイムキャップをもらいナンバリングを腕に記入してもらう。周りの参加者の話を耳にしていると、3キロと1.5キロの両方に出場する人や、リレーに出る人もいるらしい。来年は、挑戦してみるべきかもしれない。

レース

コースは200m沖まで進んで、左に曲がって100m毎にあるブイの右側(沖側)を泳いで、500mのブイでUターンして今度はブイの岸側を泳いで、最初の200mのブイの近くにあるブイの左側を廻って陸に上がって、という1000mのコースを3周。海に入った瞬間、水が思ったよりも温かいのに驚く。水温はおそらく30度近く、波もあって、これぞラフウォータースイムという感じだ。試泳でクラゲに左腕を刺された。

コースマップ

開会式の中で、大磯町の町長さんが、ここが日本で最初の海水浴場であり、なぜ「浴場」と呼ばれるのか語っていた。そんな由緒ある場所で、泳ぐ重みを感じながら、受付時に右手首に付けられたタイミングチップをゲートの機械にタッチし、スタートラインへと向かう。

オープンウォーターの大会は、いつもトライアスロン大会よりも筋肉質で、マッチョな人が多いことに驚かされる。佐渡の練習を兼ねている今回、トライウエアの上にノースリーブのウエットを重ねた。この大会はウエット着用が許可されているため、トライアスロンの練習にもぴったりだ。周囲を見渡すと、同じようにトライアスロン用のウエットを着た参加者がちらほらと見える。

そして、180人が一斉にスタートの合図を待つ瞬間、胸の鼓動が高鳴る。スタートの合図が鳴り響き、最初のブイまでの混雑の中、波に翻弄されながらも前進する。波が視界を遮り、ヘッドアップしても目標が見えない不安が心をよぎるが、人々の流れに身を任せながら、なんとか最初のブイにたどり着く。

その後は、ただひたすら300メートルをまっすぐ泳ぐ。ライフガードがサーフボードに乗ってブイの沖に並び、その姿を目標にしながら、波に対抗してバランスを保つ。プールとは違う海のリズムに合わせて、横っ腹を意識しながら泳ぐ感覚が、少しずつ掴めてきた。500メートルのブイに到達したとき、ガーミンのラップ音が鳴り響く。その音が、まっすぐ進めていることの証明であり、ほっとした気持ちを与えてくれる。

しかし、その後の挑戦は続く。波に流され、岸側に寄ってしまった自分を感じつつ、軌道を修正してブイを回る。岸までの直線を泳ぐとき、砂浜に打ち寄せる波にタイミングを合わせて、何度かヘッドアップを繰り返す。そしてゲートをくぐり、タイミングチップを機械にタッチ。その先には、冷たい水が待っていて、一杯飲んでから再び海へと戻る。ガーミンが1キロのラップを知らせ、再び沖のブイを目指して泳ぎ出す。

3周目も最初のレグはライフガードを目標に泳ぎ、右側を通過してブイまでまっすぐ進む。同じリズムを繰り返しながらも、波の中で軌道を修正し、最後のブイを回る瞬間まで気を抜かない。途中、反対方向に流されてしまった人々との衝突を避けながら、無事に最後のブイを回って上陸する。途中でタイムを確認する余裕はなかったが、波の荒さが自分の進行を妨げていたことを肌で感じる。

右手をクラゲに刺された痛みを感じつつも、ほんの少しの痒みだけで済んだことに感謝しながら、ゴールへ。

泳いだコース

ゴール後、タイムはギリギリ60分を切ったことが確認できた。目標の55分には届かなかったものの、荒れた波の中で泳ぎ切ったので良しとしよう。

レース後

さすが海水浴場だけの事はあって、西湘バイパスの下には無料の水シャワーがあったので、そこでスッキリできてウエットも洗えた。午後から別の予定があったので、大磯グルメは特に試さずに帰宅。少し頭痛がしてきたので軽い熱中症だったのかもしれない。佐渡も水温は同じぐらいな気もする。ウエットを着るとそれほど意識しなくても足が沈まないので早く泳げるのだが、熱中症になってはしょうがないので、佐渡で水温が高かったらノンウエットで出るというのも選択肢の一つかもしれない。前日の試泳で決める事にしよう。

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