品川区議会議員選挙で候補者自らネット対策を施したがあと一歩及ばなかった話。この経験をこれから挑む候補者につなぐ。
2019年4月22日の早朝。
部屋から春の霞がかかる朝日が見え始めた頃。
品川区議会議員選挙にて私、タカノヨウスケの落選が決定した。
51人立候補し、40人が当選する選挙において41番目。40番目の候補者との差は僅か38票であった。
1週間の選挙活動と早朝まで起きていた疲労で落選が決まった瞬間の記憶はほぼ覚えていない。
緊張の糸が切れ、何も考えられずその場ですぐに寝てしまった。
ただ応援して頂いた方への申し訳なさとあと一歩届かなかった悔しさは覚えている。
4月22日の10時。
もし当選していたら当選証書を受け取っているであろう、そんな時間に目が覚めた。
無所属・地盤なし・資金なし・コネもない。
そんな私がここまでチャレンジ出来たのは
応援してくれる人がいたからだった。
選挙結果を一緒に見守ってくれた仲間たちに
改めて一人ひとり感謝を伝えた。
「本当にありがとうございました。本当に申し訳ありません。」
そう言った瞬間この選挙に向けて準備してきた3年間が駆け巡り、涙が溢れた。
時代は一人1台スマホを持つようなインターネット全盛期。
そんな時代に合わせネット対策に力を入れた私タカノヨウスケの経験と知識が、世の中を本当に良くしたいと思って立ち上がる政治家候補者のためになればと思いここで共有させていただきます。
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INDEX
1.タカノヨウスケの状況
2.選挙1週間前に新情報!
3.インターネット検索への対策
4.QRコードに価値はあるのか?
5.SNS
6.候補者には限界がある
7.有権者のみなさまへ
8.政治家を目指すみなさまへ
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1.タカノヨウスケの状況
前提として
私タカノヨウスケが議員を目指したきっかけや政策はこちら。
無所属・地盤なし・資金なし・コネもない。
ただただ議員となってやりたいことがあり選挙に出ました。
周りの友人には恵まれ、
選挙前の準備や選挙中のお手伝いには多くの人が関わっていただきました。
また多くの区民の方と直接お話しし、数多くのご紹介をいただきました。
しかし投票率が40%を切るこの時代、
従来の選挙手法では現職議員や他候補者のような政党の看板と大規模な地域地盤を利用する戦略(地上戦)だけでは敵わないことは明白でした。
直接お話しさせていただいた方々の課題を議員となり解決するためにも、他候補者には負けないインターネット対策(空中戦)を実施しました。
2.選挙1週間前に新情報!
私と同じように組織もない・お金もない・政党に所属していない愛媛県議会議員候補の角田智恵(かくだ ともえ)さんが愛媛県議会議員選挙に当選した情報がSNSで流れてきました。
内容を詳しく読んでみるとアフィリエイターの永野護さんが参謀として選挙用のネット対策を講じた結果、毎回泡沫候補であった角田さんが当選できたという内容でした。
この記事に参考になるネット対策があったので、その文章を引用させていただきます。
また実際に私がその対策を試した結果も合わせて記載させて頂きます。
3.インターネット検索への対策(Youtube・選挙ドットコムの活用)
スマホに「愛媛県議会議員選挙」と入力する人は、誰に投票するか決めていない人です。だからスマホで、誰が立候補しているのか調べます。さらに言えば、スマホに「愛媛県議会議員選挙」と入力する人は、選挙に行く意思がある人ともいえます。(※永野護氏noteより引用)
確かに!
当初「愛媛県議会議員選挙」の検索結果に、公式サイトやツイッターを軸に角田さんのメディアが登場するようにしかけていました。ところが、検索結果にYouTube動画が大量に出てくるようになったのです。(中略)Googleはその傾向を察知し、選挙というリアルタイム性の強い需要に対して極力フレッシュな情報を検索結果で返そうとするのではないか?リアルタイム性の強い需要に答えるのは、ニュースに代表される「動画」ではないか?そんな仮説を立てて、角田さんの情報をYouTube動画で発信するように大きく方針を変更しました。(※永野護氏noteより引用)
これは試してみるべきだ!
と選挙一週間前にバタバタと準備をして、なんとかYoutube用動画撮影のために友人にカメラマンをお願いしました。
YouTubeなど無料で活用できるメディアだけでは、さすがに露出の限界があります。そこで選挙ドットコムさんの「ボネクタ」を活用することにしました。その際、量産していたYouTube動画をボネクタに埋め込み頻繁に更新したところ…「愛媛県議会議員選挙」等の検索結果で、「トップニュース」扱いで角田さんの投稿が表示されるようになりました。(※永野護氏noteより引用)
「ボネクタ」は事前に登録を済ませていたので、この方法も取り入れました。
また「ボネクタ」では検証した結果、
①プロフィール欄をすべて埋める。
②ブログをこまめに更新。(他候補者がブログを更新したらすぐに更新)
この二点を行うことで選挙ドットコム内で自分のプロフィールをトップ表示させることができることがわかったので、常に細かなブログ更新を行いました。
上記ネット対策の結果
「品川区議会議員選挙 立候補者」とネットで調べると、以下3パターンの結果となりました。
パターン①
検索結果にタカノヨウスケのYoutube動画が表示される
→Youtube動画をクリックすると動画へ。
パターン②
ボネクタでのブログ記事が選挙ドットコムさんのトップニュースとして検索トップに表示
→クリックすると選挙ドットコムさんのタカノヨウスケ記事へ
パターン③
選挙ドットコムさんの「品川区議会議員選挙」ページが検索上位5番目以内に表示される。
→クリックすると「タカノヨウスケ」プロフィールがページ内一番上に表示される。
「品川区議会議員選挙 立候補者」というインターネット検索結果において
「タカノヨウスケ」が必ず1ページ目に表示され
品川区選挙の情報を知りたい方へ受動的に接触できることに成功しました。
ネット対策の数値的結果
・Youtube動画視聴の参照元
参照元はorganic検索画面や選挙ドットコムブログが多かった。
・Youtube動画の視聴回数とインプレッション数。
視聴回数は約1,000回、インプレション数は5000回。
・ボネクタ(選挙ドットコム)アクセス数管理画面
選挙期間中に選挙ドットコム内のタカノヨウスケのプロフィールへアクセスした方は約30,000人、ブログまで閲覧していただいた方は約2,000人。
4.QRコードに価値はあるのか?
ポスターやビラにQRコードを載せている候補者は多いかと思いますが、果たしてその効果検証を選挙関係者は試したことがあるだろうか?
QRコードは載せないほうがデザイン的に違和感がないものがつくれるので、今回QRコードを広報物に載せる価値があるのか実際に効果測定してみました。
まずQRコードを載せた広報物は以下の4つ。
・ポスター(品川区に346ヶ所の掲示板に1週間掲示される)
・ビラ(2500枚を街中で手配り、1500枚を新聞折込)
・選挙はがき(2000枚)
・選挙公報(品川区内全戸のポストに投函される。)
QRコードを読み取った数値の結果
・選挙期間1週間におけるタカノヨウスケHPへの来訪者の参照元
poster → ポスター 75回QRコード読み取り
kouhou → 公報 34回QRコード読み取り
bira → ビラ 10回QRコード読み取り
hagaki → はがき 2回QRコード読み取り
ポスター・公報・ビラにはQRコードを載せておいた方が良いかもしれませんが、はがきに関しては載せる意味はあまりなさそう。
また全体的な数値として、organic(=Googleなどでの検索)の数値のほうがQRコードからの流入に比べ5倍くらい多いため、広報物においてはQRコードに気を使う必要はないかも。
(※noneはURLダイレクト入力など、referralは品川区HPとタカノTwitterと他候補者ブログから流入の合計値)
QRコードからタカノヨウスケHPへの流入数が少なかったので、
タカノヨウスケHPへの流入数が多かったorganicの検索キーワード541件の内訳をみてみます。
organic検索では「タカノヨウスケ」「たかのようすけ」「高野洋介」という検索キーワードで訪問して頂いた方が多い。
つまり
何か(広報物?知り合いの紹介?)で私に興味を持っていただき、名前で検索してHPへ訪問して頂いているようです。
であれば、
広報物や名前にはインパクトをもたせ、私自身に興味をもっていただき、有権者の方が自らのスマホで候補者の名前検索して頂くことをゴール設定としたしたほうが良さそうですね。
(マック赤坂さんや玉城デニーさんは名前覚えやすいですよね。漢字とカタカナの組み合わせのほうが良かったのかも?全部カタカナは目立つけど、ちょっと覚えづらいかな?)
5.SNS
今では多様なSNSが普及していますが、私はInstagram・Twitterをメインの発信場所としておりました。
Instagramでは品川区内で自分が体験した情報。
Twitterではテクノロジー関係や最新サービスを利用した情報。
について投稿していました。
SNSは自分のファンを拡大していくためのツール。
共通して気をつけていたのは、私のことを知らない人でも、その情報を受け取った人が有益に思うかどうかです。
候補者自身や届けたいターゲットによって詳細なやり方は変わりますが、この点だけは共通しているかと思います。
数値的にはInstagramは累計約32000人がタカノヨウスケアカウントプロフィール画面に来ていただきました。フォロワーの約25%が品川区民であることからプロフィールに来て頂いている方も25%が品川区民と仮定すると、約8000人の品川区民の皆様に私のプロフィールを見ていただくことができました。
6.候補者自らすべてをやるには限界がある。
Youtubeへの動画投稿は2回分だけ友人に作り込んでもらい、残りの8回分は自分で約10分程度で簡単に編集したものをアップロードしていました。
視聴回数はやはり作り込んで作成した動画の2つが他の動画に比べクオリティが高く視聴回数が伸びるので、動画作成はクオリティの高い動画を作成できる友人や業者にお願いしましょう。
そして選挙期間中のインターネット対策は候補者自らが動くことを避ける。
候補者はひたすら有権者のみなさまにご挨拶し、握手し、直接ご意見を聞く。選挙期間中はこれ以外の行動は、仲間に任せられる準備をしておきましょう。
私の場合今回急遽Youtubeへのアップロードにチャレンジしたため、候補者自らの時間を費やしてしまったことが反省点です。
7.有権者のみなさまへ
つまり投票率が下がってしまうとネットでいくら選挙活動を頑張っても、そもそも当確ラインに達する票数を獲得できなくなってしまうのです。(※永野護氏noteより引用)
投票率が下がることは新人候補にとって何よりも当選し辛い環境で、政治が停滞しやすい環境です。
変化なくして革新なし。
品川区の投票率は年々下がっています。
平成19年4月 41.59%
平成23年4月 40.58%
平成27年4月 40.08%
平成31年4月 39.72%
日本社会の閉塞感や疲弊の原因、それは「無関心」です。有権者が関心を持ち行動すれば、変化の歯車が回り始めます。投票率が5%上がれば、角田さんのようにお金も組織もないパートのシングルマザーが政治の舞台に上がれる確率が高まるのです。(※永野護氏noteより引用)
今回の選挙を手伝ってくれた友人も、投票に行ったことがない人たちが多く参加してくれました。
私も3年前までは手伝ってくれた友人たちと同じように、政治は自分とは遠い世界と思っていました。
「選挙に行っても誰に投票していいかわからないし、誰が議員になっても同じでしょ?」
実際に私自身も思っていたことです。
今の同世代はそれが普通。
20代の投票率は20%を切る時代。
政治家の平均年齢は50代。
それが普通。
このままでいいんじゃない?
令和の新時代って言うけど、実生活は普通に変わらないのと一緒。
誰かがうまくやってくれるよ!
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けど私は仕事に本気になってから変わりました。
本気になれる夢を見つけたから。
何かに本気になったら、必ず政治に通じます。
あなたの夢も必ず政治に通じて、そしてその政治に左右されるときがきます。
例えば、
普通に結婚して、
普通に子供ができて、
普通に家族と暮らしていきたい。
って夢だったとしても、
そこには、
①保育②介護③医療④防災⑤労働環境・・・などなど数多くの政治が解決しないといけない課題が数多くあります。
そしてその解決方法を探り、制度をつくるのが政治家です。
またその解決方法には皆さんの税金が使われる。
税金を本質的に、効率的に、問題解決へ使う政治家に任せないと、あなたの夢どころか日常生活に苦労します。
任せることは難しいですよね。
仕事と同じです。
任せるときには誰に任せるかをあなたが判断してください。
そして任した後は、適正に仕事をしているか見守ってあげてください。
あなたのために働く議員に
あなたが税金として報酬を支払っているのですから。
8.政治家を目指すみなさまへ
ここまで、ネットにおける選挙活動の具体的な戦術について書いてみました。しかしネットを駆使すれば選挙に勝てる、とは口が裂けても言えません。(※永野護氏noteより引用)
私もネット対策について書いてきましたが、ネット対策だけでは本当に選挙で勝てません。政治活動を地道にやってきた私がネット対策を駆使しても落選しました。
単純に区民のみなさまの声がちゃんと聞けていなかっただけじゃないか?
と言われればそれまでかもしれません。
しかし、上記のように投票率が下がれば新人候補が当選しにくい環境が続いています。
まずは身近な友人や家族から政治に興味をもってもらいましょう。
どんな形でもいいです。
飲みの場でちょっと政治の話題を話すだけでもいいです。
せやろがいおじさんの話題?
タカノヨウスケの話題?
なんでもいいです。
そこから自分の話をして選挙にガッツリ関わってもらえたら最高ですね!
政治の話は出しづらいかもしれませんが、親しい友人や家族だったら大丈夫でしょう?
次は有権者の方と直接おはなしをしましょう。
そこに住んでいる人が本当に困っていることは何か?
直接会って話さないとわかりませんよね。
その一歩目が駅頭なのかもしれないです。
やり方は何でもあります。
思いつかなかったら駅でひたすら挨拶しましょう。
そしたら必ず話かけてくれる方がいるはずです。
身近な人と政治の話題を話す。
有権者の方と直接はなす。
それが自分と世の中を変える一歩目だと思います。
やり方に困ったら相談して下さい。
今回負けたからこそ、これから挑む皆さんに伝えたいこともあります。
私は誰かのために挑戦するあなたを私は応援しています。
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