安井鷹之介_TakanosukeYasui

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マガジン

  • 海岸線の美術館 制作ノート

    • 6本

    宮城県石巻市雄勝町にある「海岸線の美術館」。 館長の髙橋窓太郎と制作アーティストの安井鷹之介による備忘録。

最近の記事

ヘキガとハガキ

私は毎日絵ハガキを描いていますが、それは単なる日々の制作ではなく、巨大な壁画制作に向けた重要な練習です。特に、私が描く壁画は防潮堤に制作されるもので、人間と自然、生と死の境界に位置する水際の非常にセンシティブな場所に描かれます。そのために私には常に強い責任感が伴います。 壁画は公共の場にあり、地元の住民が毎日それを目にしているため、私自身も毎日そのことを考え続けるべきだと感じています。ですので、住民が朝晩の通退勤で2回壁画を目にすると想定して、私も毎日午前午後で2枚描いてい

    • インドの洞窟壁画と作者のいない未来

      東京で会った人に「今、東北で壁画制作をしてるんだ」という話をすると、たいてい「遠いよね、いつか行けたら」という会話の着地になりがちだ。 また、仙台の人に「石巻市で壁画を〜」と話をした時は、「遠い!行ったことない」という反応も多かったり。 またまた、石巻の市街地の人に「雄勝町で壁画をー」と話をした時も、同じような反応が返ってくることも少なくない。 なぜか、宮城県石巻市雄勝町についてたくさんの人が物理的な距離を感じているということをしばしば実感する。 海岸線の美術館のあるここ

      • 彫刻家のつくる壁画

        2023年も7月になった。 僕は去年、東北の沿岸で3枚のでかい壁画を描いた事を通してたくさんの経験をした。その時に考えて得たことは数え切れないほどあったが、それらは日を経るごとに形を変えてしまう。それが超エキサイティングで楽しくて、思考に没頭しては、昨日の考えを更新していってしまう日々。 壁画は毎年描いて増やしていく予定で、今年の壁画の制作は9月スタート。緊張感もゾクゾクと増してきた今日このごろ。 その緊張感の出どころは、このビッグネスでヒューモンガスな大壁画、果てのないその

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