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給食の胡麻おはぎ事件
本日の見出し画像はご覧の通りおはぎです。胡麻、きなこ、これはこし餡でしょうかね。
美味しそうな画像をお借りしてきました。
私はおはぎ好きです。皆さんはいかがでしょうか。
さて、本日は小学校のときの給食についての小話をば。
私が小学校の時、「セレクト給食」というイベントが年に数回発動しておりました。
これはその名の通りで、給食をセレクト(選ぶことが)できるというイベントです。
クリスマスとかちょっとしたイベントの時に発動する給食イベントだったのですが、例えば、そのクリスマスだったらケーキをショートケーキ、チョコレートケーキ、チーズケーキ、3つの中から好きなものを選べるといった感じです。
「いつも出ないもの、しかも選ばせてくれるなんて!!」と、一見素敵イベントに聞こえますが、これには大きな問題点がありました。
それは、選ぶタイミングです。
当日、好きなものを選ぶのであれば、それぞれ用意された数に対して需要と供給の問題はあるものの、じゃんけんなんかで勝ち抜けば好きなものが食べられますよね。
もし、それに負けて希望のものが食べられなかったとしても、「まぁ仕方ないか」で納得がいくんですよ。
しかし、このセレクト給食、事前にしかも1週間以上前に希望を聞き、その希望に合わせて各クラスに配布されるというシステムだったのです。
さて、このシステムのとんでもない落とし穴に皆様お気づきだろうか。
1週間以上前、となると、自分が何を希望したのかすっかり忘れる奴が出てくるわけですよ。
先生もちゃんと「忘れないでねー!」とアナウンスはしてくれてました。
私もせっかくだし、好きなもの食べてイベントを楽しみたいと思っていたのできちんとノートに毎回メモしておりました。自分が間違えて他の人が希望通りいかず、もめるのも嫌でしたのでね。
しかし、私が懸念した通りその悲劇は起こるわけです。私にな。
それは、ケーキではなくおはぎのセレクト給食で起こりました。
おはぎ大好きな私は、普段よく食べるあんこのおはぎより、きな粉のおはぎが食べたいなぁときな粉おはぎをセレクトしていたのです。
きちんと連絡帳の端っこにちゃんと「きな粉」と書いておきました。
因みにその時のおはぎのセレクトは、あんこ、きな粉、そして胡麻だったのです。
胡麻ってね、今この年になれば美味しいなと思います。香りもいいしね。だけど、小学生相手に胡麻のおはぎって渋くないかと思いますよね。
当時の私も例に漏れず、胡麻の魅力に気付いておりませんし、わざわざ胡麻は選ばんな。ということで早々に選択肢から消えていったわけです。
で、セレクト給食イベント発動当日。
きな粉おはぎ楽しみだなぁなんて給食の準備をし、クラスのみんなに続いて給食をもらいに列に並びました。
当時給食って給食係が数名いて、ごはんよそる人、汁物よそる人、おかずよそる人みたいな感じで流れ作業でした。
で大体、デザート系がその最後に来るという流れだったんですね。このシステムって、今でも変わりないのでしょうかね?
その日もいつも通り、デザートに当たるおはぎは一番最後におはぎ係によそるというか、お皿にのせてもらうという流れでした。
徐々に近づくおはぎ係。それなりに心躍らせておりました。
この時クラスの大半が私よりも先に給食を受け取り、各自席についていました。
おはぎ係が近づくにつれ、おはぎが入った容器の中が見えてきて、数個のおはぎが残っているのは確認できました。
「(わたしはきな粉、わたしはきな粉)」
と準備をしながらいざおはぎ係の元へたどり着き、おはぎの容器をのぞくとそこには驚きの光景が広がっておりました。
なんと、おはぎの容器にはお手玉くらいのサイズのもち米を、砂場の上で転がしたようなビジュアルをしたおはぎが数個佇んでいたんですね。
決して馬鹿にしてるとかいう訳ではないんですよ。勿論容器の中には、私の選んだきな粉が残っているものと信じてやまなかった私には、正に青天の霹靂。
ベージュのおはぎがあるものだとばかり思っていた私の目には、胡麻おはぎを認識する余地がなく、ぱっと見のインパクトで認識された結果、砂の上で転がしたもち米になってしまったんです。
それまでにもね、セレクト給食はありました。
みんなちゃんと希望通りものもを食べられていたし、私が懸念していた問題は起こらなかったのに、なぜ私、しかもおはぎの回で起こるんだと、静かに佇む胡麻おはぎを目にしたあの一瞬で考えました。
しかも数個ある。そして、あんこ、きな粉のおはぎは無い。
となると、ここにある胡麻おはぎは全て誰かが間違えたことにより発生した在庫なのではないかという事にも気付きました。
でもそれはあくまでも可能性であって、私以降のクラスメイトがたまたまみんな胡麻おはぎをセレクトしただけなのかもしれない。
いやしかし、そもそも私は胡麻おはぎ選んでないし、ここで「わたしはきな粉だったのに!」と早々に申し出ればいいだけのこと。
だけど私よ、それをやって、果たして素直に私のきな粉を持って行ったやつが名乗り出ると思うか。残りのクラスメイトも巻き込む惨事になるかもしれない、それは面倒だ。ここは胡麻で手を打つか。
と、一旦胡麻おはぎショックを受けたものの私の口からでたのは
「私、胡麻おはぎ」
という言葉でした。
切なかったですね。
そして、容器に佇んでいた胡麻おはぎは静かに私のデザート皿にのせられたのです。
きな粉とは全然違う色の粉にまみれた胡麻おはぎを見つめつつ、私は静かに席についたのです。
どうせ胡麻おはぎを受け入れるのであれば、じゃんけんに負けた後、仕方なく受け入れたかった、と静かに思いました。
因みに、私以降に胡麻おはぎを受け取ったクラスメイトは好んで胡麻おはぎを選ぶという単に好みが渋いというだけのことでした。
胡麻おはぎ、食べたらそれなりに美味しかったです。
でもね、一度砂の上で転がしたもち米に見えちゃったのでちょっと複雑でした。
この胡麻おはぎ事件は大きなトラウマとなり、以降のセレクト給食イベント発動日は、真っ先に給食をもらいにいくようになった私です。
セレクト給食、ユーモアのある素敵なイベントでした。
きっと当時の大人たちが楽しく食事をしてほしいと作ってくれたイベントです。
苦い思い出のおはぎ回ではありましたが、こうして25年越しくらいに小ネタにもなってくれているあたり、感謝したいですね。
胡麻おはぎは美味しい食べ物です。
学校給食大好きだったな。
皆さんも印象深いメニューなどあるのではないでしょうか。
給食、久々に食べたいですね。
本日もしっかり緩いnoteとなりました。
いつもお付き合いいただきありがとうございます。
では皆様また明日に。