犬のからだに針を刺す 〜「皮下輸液」について〜
介護チームを結成し、どんべえのための本格的な介護に入ってからそろそろ1ヶ月が経ちます。
腎不全による貧血や、脾臓にある腫瘍が(おそらく)原因の炎症、痴呆による深夜の徘徊などさまざまな症状を抱えるマルチな老犬ですが、手作りご飯の試行錯誤や皮下輸液による水分補給など、チームで協力し合い励まし合いながらここまでやってきました。
その甲斐もあり、毎週行っている血液検査の結果は基本的に「改善」に向かっているようでした。
が、ここにきて新たな問題が。
どうやら下顎の右側に出来たイボのようなものが原因で、ご飯がうまく食べられなくなってしまったのです。幸い食欲はあるらしくキドナなど流動食は食べるものの、固形物を歯で咀嚼することを嫌がるように。
うーん、「一進一退」とはまさにこのこと。手作りご飯、結構いいリアクションだったたんだけどな…。
そんなわけで、今は新たな食餌方法をメンバー全員で模索中。食べることが何より好きだったどんべえに、これからも「美味しい」を味わってもらえるよう頑張りたいと思います。
さて、日々の介護活動のなかで、個人的に慣れるまでに時間がかかったのが「皮下輸液」でした。
慢性腎不全になったどんべえは、身体の中に溜まった毒素を尿でうまく排出することが難しくなっており、経口での水分補給では足りなくなってきました。
なので定期的に皮下輸液を行なっているのですが(今は1日おき)、まさか自分が動物の体に針をぶっ刺す日が来るとは。どんべえを家族に迎えた17年前には、想像もつかなかったことです。
だってそんなの、獣医がやってくれるものだと思うじゃないですか……。
ところがシニアの犬猫を暮らしている/暮らしていた人たちたちにとっては、自宅で飼い犬・飼い猫に点滴をすることなど割と当たり前らしく。
確かに、犬猫がなりやすい腎不全には皮下輸液が必要不可欠で、それを毎回病院でやってもらうとなると、お金も時間もかなりかかる。であれば、家でやってしまったほうが効率的というわけです。
以前の記事でも書きましたが、実は僕にとってどんべえへの皮下輸液はこれが初めての経験ではありません。彼が一昨年、前庭疾患を患ってしまい、水もご飯も自分で摂れなくなった時も、自宅で輸液をやったことがあったのでした。
病院によっては、輸液セットと共にマニュアルみたいなものを配布してくれる所もあり、それを見ながらやれば、誰でも自宅で簡単に輸液ができる……らしいのですが。
いやいやいやいや、「生き物の皮膚に針を刺す」なんてこと自体が怖すぎて。
最初はすんでのところでうろたえてしまい、それがどんべえにも伝わってなかなかうまく針が刺さらないことも。思えば前庭疾患に罹患していたときのどんべえは、立ち上がるのもやっとというくらい弱っていたため、輸液もおとなしくさせてくれていたのですが、今は寝てる隙をみてチャチャッと針を刺し水を送り込んでやらねば大変な騒ぎです。
そんなこともあり、ここ最近はすやすやと気持ちよさそうに寝ているどんべえを見ると、「かわいいな……」という気持ちより先に、「今なら針をぶっ刺す絶好のチャンスなんだけどなー」などと反射的に考えている自分がいます。
すまん、どんべえ。
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