『君』に会うときまで。
多田恋一朗個展「ハロー」ハロー
多田さんの作品を見たのは、
バンビナート・ギャラリー以来だろうか。
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いつも『君』に会える期待を胸にギャラリーに向かうところがある。
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今回は、『君』が鑑賞者を包み込むように幾人もいた。
いや、一人の分身なのかもしれない。
多田さんのステートメント
あの日の『君』は怒っていた
『あなた』は「怒っていない」と言ったが
『私』は『君』が怖かった
確かに『君』が怖かった
『私』の前に『君』はいないけど『私』の中には『君』がいて
『私』の中に『あなた』はいないけど『私』の前には『あなた』がいる
『私』の世界には『あなた』はいないし『あなた』の世界にも『私』はいない
『私』が『あなた』の『君』じゃないように『あなた』も『私』の『君』じゃない
『私』が『あなた』を『君』と呼ぶ頃『私』も『あなた』の『君』になる
ハロー孤独
無表情の裏で脈打つ鼓動
さよならシンデレラストーリー
また今日も「ハロー」が宙に舞う
ここにある君たちは、私の『君』だろうか。
私の前にいる『あなた』はいったい誰だろうか。
動脈と静脈のようにいる
赤い『君』と青い『君』
今回は、その静かな青い『君』に吸い込まれるように見つめられた。
その無表情の裏に、何が脈打っていたのか。
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