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あの祖父はこの祖父なのか。

オルタナ旧市街さんの本たちを読んでいた。
『一般』
『ハーフ・フィクション』
『踊る幽霊』
『Lost and Found』

街をわたる夜風に、降り注ぐ月光に、雲間から覗く陽の光に、アスファルトに打ち付ける雨の跳ね返りの中に、何かが現れて消え去っていく。
私たちは気にもとめない。

「バス停、顔たち」(『一般』)に登場した徘徊する祖父は、『踊る幽霊』だったか、登場したパフェを頬張る祖父と同じ人物だろうか。オルタナ旧市街さんの眼差しがやさしい。
彼女はその名の通り、過ぎ去っていくものたちをオルタナティブな視線で見つめている。そのパースペクティブは彼女独特のもので、読後に自分にはなかったレイヤーが一つ増えたような豊かさを感じることができる。

WEB連載中に少し読んでいた『お口に合いませんでした』が書籍にまとまって発売されるそうだ。この新刊も楽しみだ。
もう一つ「小説✕カレー 華麗に文学をすくう?」も待ち遠しい。


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