踊らないインド映画「花嫁はどこへ?」
(TOP画像は公式サイトから借用しました)
初めて公開当日に映画を見るという経験をした。が、ま、そのことにさしたる意味はない。
「花嫁はどこへ?」というインド映画。この映画はトロント国際映画祭でスタンディングオベーションを巻き起こし、世界最大の映画批評サイト「Rotten Tomatoes(ロッテントマト)」では、全ての批評家が肯定的なレビューを書いたことを意味する〝100%フレッシュ〟を獲得。米アカデミー賞国際長編映画賞のインド代表作品にもなっている。
実はインド映画は割と好きで、時々見ている。
「RRR」よりは「きっと、うまくいく」のほうが好みなのだが、その「きっと、うまくいく」の主演・アーミル・カーンがプロデュースしたのが「花嫁はどこへ?」だというから見ないわけにはいかない。
同じ列車に乗り合わせた二人の花嫁が、同じ赤いベールを纏っていたことで、夫が他人の花嫁を連れて駅を降りてしまうというところから物語は始まる。本当の花嫁を探すという物語が展開するなかで、二人の花嫁が直面するさまざまな出来事を通して、疑いもしなかった社会の因習やジェンダーの問題にスポットが当たっていく。
〝女性は夫の名を口にするものではない〟という因習が、ある種、二人の花嫁の物語に象徴的に挿入されている。一人はそのことに根拠がないことを周りに知らしめ、一人はそこから抜け出す糸口を掴んでいく。
さて、この映画。実はインド映画なのに踊りのシーンがない。そのことに驚きもした。が、もしかするとそういう感覚もなにかに囚われていることの証なのかもしれない。
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