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レコードにクリームソーダに手持ち花火に。昭和レトロな雰囲気に浸れる古民家宿
私のnoteを読んでくださっている方は、私が古民家宿るうふさんの大ファンだということをよくご存じなのではないかと思います。
初めてるうふさんを訪れたのが、2年前の夏。
古民家宿とはまた別に運営されているキャンプ施設に足を運んだのが、るうふさんとの出会いのきっかけとなりました。
それからは、仲の良いモデルさんと一緒に、撮影がてら宿泊させていただいたほか、
周りの人を意識せず気兼ねなく過ごし、なおかつ大好きなお酒を存分に楽しめるので、夫との旅行ではよく利用させていただいています。
そんな私に、飛び上がるほど嬉しいお話が舞い込んできました。
るうるさんのアンバサダーとして、古民家宿の魅力を写真でお伝えする機会に恵まれたのです。
「好き」を発信し続けていれば、このようなご縁に恵まれることもあるのだと、しみじみと実感しました。
今回宿泊させていただいたのが、山梨県の自然豊かな場所に佇む坂之家という古民家宿です。
古民家に合いそうな落ち着いた雰囲気が魅力的なモデルのharuさんをお誘いしました。
時期的にちょうど台風と重なってしまうかもしれないと心配していたのですが、なんと当日の午前中に台風は去り、雲ひとつない快晴となりました。
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バラが咲き誇る最寄駅(石和温泉駅)から、バスに揺られること約1時間。
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芦川町に着きました。
台風の影響で、ごうごうと音を立て勢いよく流れる川沿いを歩いていくと、程なくして坂之家が見えてきました。
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少し緊張しながら玄関の扉を開けると、どこか懐かしいような、それでいて洗練されたインテリアが目の前に広がりました。
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優しく温かみのある長春色に、移動の疲れをねぎらってもらっているよう。
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坂之家は、これまでに私が泊まってきたような築100年以上といった古民家宿とは異なり、昭和時代に建てられた建築を去年の春にリニューアルして生まれ変わった宿だそうです。
「昭和ムードでくつろぐ宿」というコンセプトの通り、昭和レトロを感じさせるような仕掛けが所々に施してあります。
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お部屋で一息つき、まずは楽しみにしていたレコードを聴くことにしました。
坂之家には50枚の昭和歌謡のレコードがあり、その時の気分によって聴きたい曲を選ぶことができます。
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馴染みのある松任谷由実さんのレコードを聴くことにしたのですが、なんだか声が高いような・・・しかも、曲のテンポが速いような・・・?
まあこういうアレンジなのだろうと聴き流していたのですが、レコードの右側にあるスイッチの存在が目に入り、回転数の設定を間違えていたことに気がつきました。笑
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正しい回転数で、やっと違和感のない松任谷由実さんの歌声に浸ることができました。
驚いたのは、一枚一枚のレコードについて、その魅力や感想が綴られた付箋が貼ってあったことです。るうふのスタッフさんが書かれたのでしょうか、レコードへのこだわりと愛情を感じました。
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それから、懐かしのテレビゲームで遊べるのも魅力的でした。
コントローラーが2つ用意してあり、スクリーンに映し出された画面を見て好きなゲームを選べるようになっています。
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私は幼い頃からゲームをほとんどしたことがなく、全く詳しくないのですが、ゲームが好きな夫が見たら懐かしさに悶絶しそうなゲームがずらりと並んでいました。
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モデルさんが星のカービィを一通りプレイした後、一緒にマリカーに挑戦しました。
私は数年前に一度遊んだきりだったのですが、マリカーってこんなに楽しかったっけ?と思うほど、夢中になってのめり込んでしまいました。
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ゲームではしゃいだ後は、早めの夕食の時間です。
るうふのスタッフさんがいらっしゃって、夕食の準備をしてくれました。
普段は鉄板焼きが夕食のメニューだそうですが、今回は初めてしゃぶしゃぶを提供していただきました。
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前菜のこんにゃくは、地元の芦川町で手作りされたものです。
2年前のTiny House Campで初めて食べたのですが、こんなに瑞々しく、雑味のないこんにゃくってあるんだ!と衝撃を受けました。
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わさびをすりおろしてこんにゃくに付けて食べると、程よい辛味が鼻から抜け、丁度良いアクセントになりました。
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お鍋の湯が煮立ってきたので、野菜を投入していきます。
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そこに、お肉を入れて湯の中で泳がせ、
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お肉に色がついて、良い具合に仕上がりました!
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少し酸味の効いたコクのあるお出汁につけ、そこに刻みネギをたっぷりと乗せていただきます。
一口食べた時の、haruさんのこの幸せそうな表情が全てを物語っています。
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しゃぶしゃぶは自宅でもたまに食べるのですが、お酒に合う濃い味の食べ物を求めてつい調味料を足し算してしまい、濃い味になりがちです。
それに比べ、坂之家で食べたしゃぶしゃぶは上品な味わいで、いくら食べても飽きない味でした。
お腹が満たされてきたところで、〆のお蕎麦の前の小休憩として、るうふさんが用意してくださった手持ち花火で遊びました。
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花火そのものの外観が美しいこと、美しいこと。
後で調べると、昭和時代から花火を作っている、福岡県にある製造所で作られた花火だそうです。
手持ち花火の名前は「透花」というのですが、それを見たharuさんが「志保さんが去年の秋に開催した写真展の名前「透光」と似ていますね」と仰り、確かにそうだなと嬉しくなりました。
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外は暫くは明るかったのですが、山に囲まれた場所なので、18時半時近くになるとあっという間に暗くなります。
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この花火は名前の通り、光がキラキラと透けて見えるような気がします。
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線香花火を2人で持って撮影。
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花火には元々、死者を弔い鎮魂の祈りを捧げる役割があったそうです。
(花火大会がお盆の時期に集中しているのは、それが理由のうちの一つとのこと。)
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実はこの日の前日に夫の祖母が亡くなってしまったのですが、それもあってか、線香花火の香りに胸が詰まるような切なさを覚えました。
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花火を楽しんでいる間に少しお腹も落ち着いたので、残っている〆のお蕎麦をいただくことに。
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温かい日本茶を飲みながら、お蕎麦が茹で上がるのを待ちます。
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まずはしゃぶしゃぶのお出汁につけて一口。
しっかりとしたコシがあり、噛めば噛むほど甘さが口の中に広がります。
次に、カレー粉を入れてカレー蕎麦にして食べてみました。
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思ったより刺激的な辛さに驚きましたが、辛いものが大好きな私にはぴったりでした。
時刻は20時近く。
いつもならだらだらとお酒を飲んでいるくらいの時間ですが、早々にお風呂に入ることにしました。
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るうふさんの宿に置いてあるシャンプーとリンスの香りが好きすぎて、プライベートでも使用したいくらいです。
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結構熱めのお湯に出たり入ったりを繰り返していると、危うくのぼせそうになってしまいました。
お風呂上がりの楽しみにとっておいた食後のデザート、いちごアイスを持ってラウンジへ行き、レコードにそっと針を落としました。
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火照った体に、アイスクリームの冷たい甘さが心地良い。
そこに、ゆったりと流れる昭和歌謡のメロディーが重なり、無上の幸せに浸りながら夜の時間を過ごしました。
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次の日は4時前には目を覚まし、朝焼けが見れるかと期待して待っていたのですが、残念ながら空は焼けてくれませんでした。
それでも、黄色から段々と透明に変わっていく光の様子を観察しながら、理想通りの写真を撮ることができました。
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私は朝の時間に古民家を撮るのが一番好きなのですが、スタジオを借りるのではそこまで早い時間に撮ることができません。
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その点、古民家宿であれば、ほぼ全ての時間帯の光を切り取ることができます。
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清々しい空気を体いっぱいに吸い込み、小鳥のさえずりと川のせせらぎ(今回はいささか激し目でしたが)に耳を傾けながら、のんびりと朝の時間が過ぎていきました。
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るうふさんの宿に泊まると毎回不思議なのは、かなりの量の夕食を食べたはずなのに、朝になると体がリセットされたかのようにお腹が空いていることです。
haruさんと「お腹すいたー」と言い合いながら朝ごはんの用意に取り掛かりました。
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大きな鉄板の上に、卵、ソーセージ、サンドイッチを置いていきます。
たちまち良い匂いが部屋の中に充満し、食欲が爆発しそうです。
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少し時間はかかりましたが、無事に焼き色がつき、朝食の出来上がりです。
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キャンプでも食べたのですが、サンドイッチの上に塗ってあるバターとハーブの組み合わせが本当に美味しく、癖になります。
食後は珈琲を淹れ、縁側で飲みました。
るうふさんの宿では珈琲豆を焙煎し、挽くところから楽しめるので、自分が淹れた珈琲という実感と愛着が湧きます。
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ついに、一番楽しみにしていたクリームソーダ作りです。
1日目に宿に着いた時に、ここでクリームソーダを作ることができると聞き、一気にテンションが上がりました。
最初はharuさんがクリームソーダを作り、私が撮影することにしました。
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クリームソーダ用のグラスやソーダスプーン、シロップ氷、炭酸、アイスなど、必要なものは殆ど揃っていたので、とても助かりました。
自然光を生かして撮影したいため、外に移動。
残すはアイスを乗せるだけ!という瞬間を撮影しましたが、haruさんのあまりの可愛らしさにピントがずれてしまいました。
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そして、完成です。
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一発勝負だったにも関わらず、この完成度の高さは何なのでしょうか・・・。
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グラスの中の緑色が、背景の緑と綺麗に調和しています。
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クリームソーダは、古くから続く多くの喫茶店で長く親しまれているメニューということもあり、縁側が似合う気がします。
次に、私もクリームソーダ作りに挑戦してみました。
緑色と黄色のシロップがグラデーションになるように張り切って作ったのですが、いまいち見た目には表れず・・・
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しかも、泡が大量発生してしまいました。
どうやら、アイスと炭酸の接地面が大きいと、このような現象が発生してしまうようです。
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見た目はともかく、美味しいことには変わりはなかったです。
もっと練習して綺麗なクリームソーダが作れるようになったら、様々な色のクリームソーダを5つくらい並べて縁側で撮影したいなあと思いました。
楽しく充実した時間はあっという間に過ぎてしまいます。
心の奥底、指の先まで満たされて、坂之家を後にしました。
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今回の旅を通じて、今までに私が泊まったるうふさんの古民家宿とはまた少し違った魅了を持つ坂之家という宿と出会い、ますまするうふさんの作り出す空間が好きになりました。
こうして素敵な宿に泊まらせていただく機会を与えてくださったるうふの皆様、そして旅にご一緒いただいたharuさんに、心からの感謝をお伝えしたいです。
とても光栄なことに、るうふさんとは、これからも様々な場面で関わらせていただくことになりそうです。来週も、アンバサダーとしてとある宿に泊まってくる予定です。
るうふさんとの関わり方は変わっていくかもしれませんが、今後も、一個人としてるうふさんのファンであるという立場には変わりなく、自分らしい写真を撮っていきたいと思います。