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籠の鳥(1995〜2015)

高野寛
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※試聴版。オリジナル版(04:00)は購入後に視聴可能。

どうやら、この曲をまだUPしてなかったらしい。
20年以上前に作って、何度も何度もライブで歌い、少しずつ歌詞が変わって、でもまだ正式に音源化されていないという奇特な曲。

この曲を作ったのは1995年。
僕は30歳になったばかり。前年の坂本龍一ワールドツアーを終えてすぐ、初めて連ドラに役者で出演することが決まり撮影に入った。ドラマが放送されてすぐ95年1月17日に阪神大震災発生。(そのあたりはここ https://note.mu/takano_hiroshi/n/na05c13973be2?magazine_key=m5c99f18b50a6 に詳しい)

ドラマ終了前後の3月20日には地下鉄サリン事件が発生、その9日後アルバム「Sorrow & Smile」が発売され、4月から「土曜ソリトン SIde-B」放送開始。…と、時系列で振り返ると自分史、日本史共に、本当に激動の時期だった。今でも胸が苦しくなるほどに。

地下鉄サリン事件の後、オウム真理教本部に強制捜査が入った。窓のない「サティアン」の異様な光景。
防毒マスクを装備した機動隊員の手に、カナリアの入った鳥カゴ。

かつて炭鉱などでのガス事故が起こるのを防ぐために、毒物に敏感なカナリアが「警報装置」として使われていたという背景を、その時初めて知った。

*機動隊員が語るオウム強制捜査で活躍の「カナリア」
https://ameblo.jp/momokohime7/entry-12003150315.html

あとは、歌詞を読んで、自由に解釈してください。

2005年のライブ動画(少し歌詞が違うバージョン)
https://www.youtube.com/watch?v=hxUMVXRO9fI

ラフに録ったやつ(フル試聴可)
https://soundcloud.com/sunburst_shines/pmsosa8utnur

ーー
籠の鳥
作詞・作曲:高野寛

籠の中のカナリアは 今日も自由に歌います
空を飛べずに生きる運命を 嘆くこともなく
戦場に連れられて 勇気を出して歌います
静かすぎて 弾丸も飛ばない 心の戦場で

あの山のふもとの町 窓のない家の子供たち
今日はなんていい天気 空の青さが切ないよ

籠の中のカナリアは 今日も自由に歌います
覚えたての古いうたを 飽きることもなく

そこらじゅうにたれこめた いつになく深いこの霧が
いつか全部晴れるように 祈りながら見上げる空

籠の中のカナリアは 今日も自由に歌います
空を飛べずに生きる運命を 嘆くこともなく
覚えたての古いうたを 飽きることもなく
誰も皆 愛に飢えてる 心の戦場で

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