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九十歳。なにがめでたい 現代に生きる人のための痛快コメディ!

私は映画の上映前の予告編が好きだ。
ホラー映画は逃したくないな、次の休日に見る映画は何にしよう、これおもしろそうだな、など上映前のワクワクのジャブのような感じに楽しんでいる。

この映画はそんな予告編を見ていて気になった映画だった。

90歳になった元大作家の佐藤愛子(草笛光子)、仕事はできるが若い社員からは疎まれ会社で浮いてる中年編集者の吉川(唐沢寿明)。
実力は確かなのに現代では所謂「老害」なんて言われてしまいそうな、時代に取り残された面倒で頑固なばーさんとおっさんが、苦悩しつつなんとか前に進みつつ、現代に生きる人生と向き合っていく人間ドラマ。

上記の通り、予告編で気になって見に行った映画で、事前情報など本当に何も調べず行ったので、まさか原作が佐藤愛子本人のエッセイとは思ってなかったのでびっくり!

笑いもあり、感動もあり。(実際劇場で何度か笑い声も起こっていた)
生きづらさと折り合いをつけつつも精一杯生きていく2人の姿に、そしてとある女性の姿に。
とても元気をもらった。
人生100年時代、残りの途方もない時間。どうなったとしても趣味ややりがいを捨てずに元気に生きていきたい、そう思える映画だった。



私は主人公2人はおろか、娘の響子(真矢ミキ)より若い世代なので、正直主人公2人の悩みもぴんとこなかった。なんならエンタメでしかなかった。
劇中で佐藤先生へのインタビューに対して笑いが起こっていたようなあんな他人事のレベルだ。

響子との母娘の掛け合いも、うちのばーちゃんと実家にいる叔母の掛け合いそのもので、あ~こういうばーちゃんいるいる、くらいのもの。

それが吉川の職場のターンになると一変、こういうおっさんいるいる!もありながらも、若手に対して「えっそれは流石にないんじゃない!?」みたいなところもあり。

昔とは価値観が変わってきたなかで、アップデートしろと言われてもなかなか難しいおっさんが、家庭や職場で上手く行かなくなって、その原因が自分自身だと気付かされ。
同じようなめんどくさくて頑固でわがままで現代になかなか適応できないおばーちゃん大先生に、説教され、活力をもらい、互いに頑張って仕事をして、折り合いをつけて不器用にも生きていく。
私たちもいずれは歳を取るし、中年になり、老人になる。時代に追い付こうとしても、全員ができるわけではない。今ですらティーンエイジャーの文化を見ては浦島太郎になっているくらいだ。
いつ同じような立場になるかわからない。
それでも自分をまっすぐもって、ときには人の話もちゃんと聞いて。
変化を恐れず生きていこう。

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