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東京脱出論  藻谷浩介×寺本英仁

『都会のネズミと田舎のネズミ』の全文
あるとき都会に住んでいたネズミは、田舎に住んでいたネズミのところを訪れました。田舎のネズミの家では質素などんぐりが食事として出されました。都会のネズミは田舎のネズミに、自分が住んでいる場所を是非訪れて欲しいとしつこいまでに説得して、実際に田舎のネズミが都会を訪れることになりました。
そこで都会のネズミは田舎のネズミを食べ物であふれている部屋へと案内しました。そこでは上品な御馳走がたくさんあり、給仕の者が部屋の扉を開けました。都会のネズミは良く見知ったそのネズミ穴にさっと入っていきましたが、田舎のネズミはその建物をよく知らないのでひどく慌てて床の上を右往左往していました。先ほどの給仕が注文を取ると、ネズミたちの後ろのドアを閉めていきました。都会のネズミは田舎のネズミに席に着くように勧めましたが、田舎のネズミはこれを断って落ち着きない様子で言いました。「一体僕はどうしたら良いのだい? とても怖いんだよ! さっきの彼は戻ってくるのかい?」 都会のネズミは「落ち着きたまえよ。これまで君が見たこともないような素晴らしい御馳走がすぐ出てくるぞ」と言いましたが、「僕にはどんぐりで十分だよ。それで十分平和なんだよ!」と田舎のネズミは答えました。

イソップ寓話から始まる書

島根県邑南町の役所勤務の寺本氏と
「里山資本主義」などの著者でもある藻谷氏の対談。

これを読みながら、ふと隣町(東川町)のことを思いながら読んでいた
この邑南町のように都会から脱出して起業して、若者も増えて、子供は中学校まで医療費無料、先日聞いたばかりだった。
先日立ち寄った花火大会でも、どう見ても地元ではない人たちが多かった。
子どももたくさん走りまくっていた。

この邑南町は、いまどき少子化と騒ぐ中、若者のリターンもあり出生率も国の基準よりも高い。

東京は確かに魅力的ではあるけれど、住むところではないよな、と昔から思っていた(関東北部出身)
電車のなかで、あんなに押し込められて、毎日通勤する人たち、
電車から流れ出る人の波、圧迫される感じ、
災害がありようものなら、家に帰ることも出来ない、
これから起きると予想される、大きな地震。


「コロナで日本が変わる」というが、本当だろうか。
そうではないだろう。
新型コロナウィルスが改めて教えてくれるのは、
日本がどうにもこうにも
「変わろうとしない社会」であるということだ。
「日本が変わる」と他人ごとのように言っていないで、
この機会に「自分を変える」というところに踏み出さないと、
結局何も変わらないし、変えられない。日本が変わるのを
待っているのではなく、先に「自分を変える」人が、
日本の中に1%だけでも出てくれば、
その1%が、変われない日本を変えていく。
           藻谷浩介


田舎に住んでいたころは、近所のおばちゃんたちがうるさかったけど、夏になるとたくさんの野菜を分けてくれた、ホタルもいた、祭りには騒いで楽しみもあった。
東京には住んだことはないが憧れていた時期もあった、
東京で素敵なレストランに入ると、それはそれで幸せなような気もした。
東京の美術館に作品を展示してもらって、浮かれていたこともあった。

あのころは何もわかっていなかったんだ。

今もそんなにわかっちゃいないけど、

エアコンの室外機の温風が吹いている風じゃなくって

緑のなかを流れてくる風の中で生きていきたい。



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