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もう親を捨てるしかない 介護・葬式・遺産は、いらない   島田裕巳

年々、平均寿命が延び続ける、日本
認知症、寝たきり老人が膨大に存在する今、親の介護は地獄だ。
過去17年間で少なくとも672件の介護殺人事件が起き、事件の背後には、時間,金、手間だけではない、重くのしかかる精神的負担に苦しみ、疲れ果てた無数の人々が存在する。
この地獄を受け入れるほどの恩を親から受けたと言えるのか?
家も家族も完全に弱体化・崩壊し、親がなかなか死なない時代の、本音でラクになる生き方「親捨て」とは?

あとがきより

手に取るべくして取った本だろう。
そう思った。
10年以上、相方の兄姉の介護に携わり、まさに体力も、精神もやられた自分だから、このタイトルを見て、普通の人たちは、衝撃を受けるのだろうけれども、これは現実問題である。と冷静に読めた。

そして、先日の帰省の際も、高齢の母のことで、兄はもう疲れ果てていた。
ただ介護初心者は、自分が壊れていってしまっていることに気が付いていない。自分の経験から、少しのアドバイスをしてきたつもりだが、それが役に立ったかはわからない。

私がやらなければ、なんて気持ちで、介護はできない!
TVとかで、老々介護の殺人や、子供が親を殺したり、見かける。
実際介護を経験すると、その家族の苦しみは、少しだけ理解できる。

子どもがもう老人である、その子供が親を看るのである。

現実の介護問題を提起しているだけではなく、
6章で もう故郷などどこにもない で ちょっと苦しんでいたここ数か月の気持ちが、少し癒されたような気がして、この本との出会いに感謝しつつ、老年である自分自身も、考えさせられる一冊でした。

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