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読書感想文:NOVA/サミュエル・ディレイニー
2006/06/10(土) 21:44:31
読んでいる本は、先ごろ買ったと申し上げていたディレーニイのNOVA。
空き時間にちょこちょこ読んでいるので、あまり読み進めないのですが、ディレーニイはなんてイメージが美しいんだ、うるさくて綺麗な音のようですね(どういう表現だ)。
プリンス・レッドとルビー・レッドのあの邪悪で美しい二人もさることながら、引き裂かれた顔を持つローク・フォン・レイも神話の中の人物のようで、幻の採鉱窟に私も行きたいな。
超新星に突っ込めば億万の富が手に入る、ですが、本当に手に入るものは富ではない気もします。
失うものの方が大きい気がしますよね、神経系を焼ききられて死んだ登場人物はイカルスなんでしょうが、ただの敗残者でもある。
不明な書き込みをしていますが、これはこれで一応読書感想文らしいです、…自分ひとりだと思ったら、既に遠慮というものがなくなっていますね。
+++++++
2006/07/01(土) 18:27:42
NOVAやっと読了。
何故今頃かというと、移動中の合間を見たりしてちまちま読んでいたからです。
ディレーニィはきれいだと思う、文章が。
翻訳なのでいかほど分かっているかといわれると微妙なのですが、文体とかの話ではなくて、醸し出されるイメージと幻想が美しいと思うもです。
詰め込みすぎの話とか分かりにくいとか逆にチープだとか色々評価はありますが、私は読んでいて美しくて残酷で穢れていて破壊と再生のイメージのあるこの物語はやはり好きだ。
一つ一つの場面が夢のように移り変わる、相容れるものと相容れないものを同時に描くのは難しいと思いますが、私は敵のプリンスがロークに対して投げかける敵意と憎悪はふさわしいと思うな、書評の方で「邪悪なルビー・レッド」の魅力みたいなことを書かれていたのは賛同しかねる、邪悪とか邪悪でないとか、そういうものではなくて、ああでも言葉がないのかなあ、むしろ穢れていると思います。
そして非常に美しい、醜い映像と美しい映像と忘れられない心象と引き裂かれた顔面が象徴するのも同じものだと思うな。
ええと、これから読もうと思っている人への感想にはさっぱりなっていませんが(そもそもいるのかそんな人が)、私が思った感想を書いているだけなので、まあいいか。
(2006年ごろ、誘われてネットの知人と読書や映画の感想板を細々やっていたが、知人はオフラインが忙しくなったと言いながら段々来なくなった後ごろの、ほぼ独り言)
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