読書感想文:あなたの知らない脳/ディヴィッド・イーグルマン
あなたの知らない脳 ディヴィッド・イーグルマン 早川書房
友人から譲ってもらったので読書中なのですが、おもろい。
脳と視覚の齟齬について、じわっと知ってるつもりが例示で明確になってく。
ユクスキュル出てきて「あれ?今読んでったっけ?」って一瞬なった。
視覚の不安定さと脳みそ。
(2020/10に読み始めて一旦中断があって2021/1に読み終わる)
真面目な話、この本は面白かった。
意識は傍観者である。
INCOGNITOこの語はラテン語からだよなと思う。
知られざる者、匿名ぐらいの意味か。
私たちは私たち自身の体や精神や判断をよく知っていると、そう思うことへの誤謬を指摘する。
あと、「付録」で「登場人物」とあって、その下の脳の図解が載せてあるんですがそれは。
唯物論にも神学にも完全には依らず、悲観主義に陥ることもなく、我々にとっては未知の領域があると踏まえた上での論理は傾聴すべきものがある。
(メモ付記、文中にオッカムの剃刀が危険な考え方であることの提示があったため)
オッカムの剃刀
Entia non sunt multiplicanda praeter necessitatem.
Entities should not be multiplied unnecessarily.
(実体(存在)は、むやみに増やされるべきではない)
Pluralitas non est ponenda sine neccesitate.
Plurality should not be posited without necessity.
(不要に複数の仮定を立てるべきではない)
Frustra fit per plura, quod potest fieri per pauciora.
It is pointless to do with more than what can be done with less.
(より少ないことでできること以上のことをやるのは無意味だ)
なるほどこれは意外と危険な抄訳。
これに対する「思考節約の原理による論法の見かけの優雅さに惑わされてはならない」は確かにもっともであると感じるな。
「蛇口を捻ったら水が出る」「蛇口を持って帰ろう」のロシア兵にならないように気をつけねば?
(2020/10〜2021/1 Twitterに書き綴ったものを拾った。これはなかなか純粋に面白かった)