読書感想文:トレジャーハンターシリーズ/菊地秀行
トレジャーハンターシリーズ 菊地秀行著
菊地秀行氏は多作速筆の作家として有名だ。
仕事を断らないこともあって、途中率直に言って質が落ちたと思われる時期や作品もあって、買うのにどれでもいいとはとても言えない。
ただ、初期、名が売れるまでの作品には、娯楽作品としては外れがないように思う。
私が最初に触れたのは当時朝日ソノラマから出ていた「吸血鬼D」シリーズで、これは当時非常に人気であった天野喜孝氏の挿絵もあって、多くの人の記憶に残っていると思う。
さらに、同時期に同じ朝日ソノラマから出ていた「トレジャーハンターシリーズ」、こちらはバブルを迎えようとする当時の時代の雰囲気を反映した現代を舞台にした、もっと景気の良い現代の影に生きる宝探しの冒険者の話だった。
主人公は、八頭大と太宰ゆき。
二人とも高校生で、おそらく今の年齢になって読むと「こんな高校生がおるか」と思ってしまうだろうが、当時中学生だった私は、エイリアン秘宝街(第一巻)から非常に楽しんで読んでいた。
特に、ゆき。
ヒロインという役柄だが、素晴らしい美人でグラマラスで色っぽくて、金のことを考えると欲情するニンフォマニア。小さな子供には無私の聖母になって優しいのに、大には対しては、計算高くて打算的で、しばしば自分勝手に動く。
有り体に言って、エロくって最高だろ?
下の表紙が魔神国なのは何故か持ってきてるのがそれだから。
菊地秀行氏は多作で、確かに駄作としか言いようのないものも混じるのもあって、多分に過小評価されている気もするが、初期シリーズの最初の数冊は読む価値はある。
なぜ最初の数冊かと言うと、歯に衣を着せずに言えば、数が続くと大体適当に書いていてぐだぐだになるからである…。
(2020年10月 ちまちまTwitterに書いていたがだいぶ直した。Twitter一投稿ではやはりどうにもならない。)
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