”話が長い人”に共通する3つのパターンと深層心理 - 1分で話せ -
エピソード
ビジネスにおいて、いつも短い時間で端的にポイントを説明してくれる人がいる。一方、周りの人から常に「この人話長いな・・」と思わせてしまう人がいる。話が長い人に、”なぜ話が長くなってしまうのか”を聞いてみたところ意外な原因・深層心理が見えてきた。改善に必要なことは、短く話すテクニック以前に、”短く話すメリット/長く話すデメリット”を実感することだと思う。
”話が長い人”に共通する3つのパターン
”話が長い”と思わせる代表的なパターン3つを例示する
(話が長い人:Bさん とする)
パターン1:質問に答えるまでが長い
Aさん「先日依頼した件、対応していただけましたでしょうか?」
Bさん「その件については、先日xxがあって、xxということが起き、さらにxxとなりました。それで、xxで、xxが発生したのです。そのため、まだできていません。」
Aさん「・・・要はできていないということですね? それであれば、先にxxをしてください」
⇒Aさんは、Yes or Noを踏まえ次の会話を早くしたいと思っているのに、なかなか答えが聞けないのでイライラしている
パターン2:相手がわかっていることを繰り返す
Aさん「先日依頼いただいた件、メールでの回答でいいですよね?」
Bさん「はい、なぜそれが必要かと言いますと、過去にこういうことがあって、xxで、xxで、・・なのでそれが必要なのです。それをしないと、xxで、xxで・・」
Aさん(さえぎって)「はい、そこはわかっています。要はメールでの回答いいということですね。」
⇒Aさんは回答方法を確認したかっただけだが、依頼の背景などわかっていることも一から全部説明されイライラしている
パターン3:相手に話す隙を与えない(一方的に話し続ける)
Bさん「本プロジェクトの目的は営業業務の効率化です。このプロジェクトが発足した経緯はxxで、xxがあり・・ プロジェクトメンバーは、xxさんと、xxさんと、・・ (10分ほど延々)」
Aさん「あの、、」(気になることがあるが質問する隙がない)
Bさん「また、本プロジェクトの発起人であるxxさんは元々xx出身であり、xxに課題を感じられていて、・・(さらに10分ほど延々)」
⇒情報量が多いわりに、BさんはAさんの反応を見ずに一方的に話し続けている、Aさんは気になることも聞けずイライラしている(途中から聞いていない)
原因となる深層心理
本人に聞いたところ、その原因・深層心理は以下であった
質問にはできるだけ丁寧に答えたいと思っている
Yes/Noの一言だけで返すと冷たい人だと思われる、と思っている
(長ければ長いほどよいと思っている)過去に説明不足でトラブルになったことがあり、すべてをまとめて正確に言っておかないと後で”聞いていない”と言われる、と思っている
説明する際はまずは一通り自分の話を聞いてほしいと思っている
いずれも共通するのは、本人は”良かれと思って”長く話をしていた点。ただ、それが結果的に”相手に理解してもらう”という本来の目的から乖離してしまっていることもわかった。
そもそも”話が長い”のは何がまずいのか?
大事なことが相手に伝わらない / 間違って伝わる
相手の時間を浪費する
その人自身(もしくはその人の会社)の評価を下げる
有名な”パスカルの手紙”の話がわかりやすい。彼は友人への手紙の最後に、こんな言葉を残したと言われている。
本来書いた後に推敲して簡潔にすべきところを、推敲する時間がなくだらだら書いてしまい申し訳ない、ということを伝えている。
ビジネスにおいて、いかに端的にポイントをまとめて伝えるかは非常に重要なスキルであり、相手への思いやりである。長くするよりも短くする方が難しい。
そんなことを考えていたら、以前読んだ「1分で話せ」(伊藤 羊一著)という本に以下の興味深いことが書かれていたことを思い出した。
参考になった書籍
まとめ
”話が長い人”は深層心理として、長く話せば話すほど相手に伝わっていると勘違いしている傾向がある
1分でまとまらない話は、結局何時間かけて話しても伝わらない。むしろ長くなるほど伝わらない、ということを理解することが重要