今こそ職場で更年期について話すとき ～Harvard Business Reviewより～
ご無沙汰しております。よりそるの高本です。
Harvard Business Review (以下：HBR）で更年期に関する面白い記事がありました。原文は英文でしたので、要点と考察を今日は書いてみたいと思います。
ほとんど職場で話されることのない更年期の話題
HBRでは調査結果と共にこのような事実を伝えています。
世界の全人口の半分近くが経験している、もしくは経験するであろう更年期ですが、更年期障害について職場で話題になることはめったにありません。Society for Endocrinology の調査によると、驚くべきことに4人に1人の女性が深刻な更年期障害を経験しているのです。
更年期障害の時期と働く女性への影響
ここで「更年期障害がどのように深刻な影響を与えているか」を記事は明確に示しています。
更年期障害が発生する45歳～55歳はしばしば重要なキャリアの時期と交差します。この年代は女性がトップリーダーのボジションに移行する可能性が最も高い年齢層なのです。（調査ではCEOの平均年齢は53.46歳と言われてます）
更に女性がリーダーとして活躍するために今後必要なことも書かれていました。
女性がCスイートの役職（会社の中心的役職）の約25％にしかないことが調査で分かりました。女性がリーダーの役割を果たし、貢献し続けるためには更年期障害が「いかに個人や組織に影響を与えるのか」もっとオープンに話すようにならなくてはならないと思っています。
しかしこちらを執筆した筆者も、実は更年期が始まった時に自分の症状を周囲に隠したと言います。
妊娠したときとは違い、更年期症状が始まった時多くの女性がしたように、私は本能的に自分の症状を隠しました。物忘れや疲労などを周囲に訴えることは考えられませんでした。
筆者は物忘れによる会議への遅刻や、フライトのダブルブッキングなどの数多くの失敗に悩まされたといいます。自分自身アルツハイマー病の症状が早く出たのかと思い、誰にも言えなかったとそうです。そんな時に更年期障害の診断がおりて、ほっとしたとも書かれていました。
性別・人種・世代の違い同様、更年期障害について議論する必要性
ここで筆者は更年期障害に関して、個人としても社会としても必要な対応をこのように伝えています。
次の世代のためにもまずは更年期障害の人が、きちんと話をしていくことが大切です。そして（更年期に関する）教育が必要。更年期に関しては多くの誤った情報があるため、信頼できる医療機関からのきちんとした情報を集めることが大切です。また、更年期はストレスや燃え尽き症候群につながる可能性もある健康問題の一つなので、柔軟な勤務スケジュールや在宅勤務のオプションの提供など考える必要があります。
筆者は「人に話す」ということの大切さを知り、恥ずかしい気持ちを捨てて体調不良の時はきちんと周りに伝えることを始めたと言います。そうしたところ、同僚が彼女の経験を周りに共有するように頼んでくるようになったそうです。
こちらの記事を読んで
日本では女性管理職3割目標が政府により「20年30％」から「30年まで」に先送りされた情報が記憶に新しいですね。
女性の管理職の比率を上げてほしいという気持ちがある中で、他方、働く女性の50％が更年期障害を理由に昇進をあきらめたというデーターもあり私自身ショックを受けました。（データ▼）
同時に、リーダーとなった女性に更年期障害のつらい症状が現れても、ひたすら我慢する世の中が来てしまわないか、ということを懸念しています。
こちらの筆者のJeneva Patterson氏はベルギーの方で、ヨーロッパでさえも更年期障害の辛さを伝えることに勇気が必要であったことに驚きました。
更年期症状を抱える時期に女性の管理職の比率をあげるためには、単に数字の目標設定だけではなく、ここにも書かれているように更年期について「声をあげること」「社会の理解」とそれに基づく制度設定も同時に必要なのだと痛感しました。
女性自身も40代初めくらいだと「更年期障害ってどういうものかよくわからない」という方が多い中で、更年期に対して社会の理解を得ていくのには時間がかかることも承知しています。
それでも私はやっぱり男女関わらず更年期障害については知ってもらい、話し合える場を提供し続けていきたいと思っています。
日々更年期の情報についてはコチラで発信しています。
良かったらフォローしてください▼
ココロが落ちてる更年期女性へ。不幸にする習慣に他人との比較というのがあるけど、比較の仕方が問題であって、良い比較もあります。例えばうまくいっている人を見て、自分で取り入れられそうな方法をに組んでみるとか、実際にその人に話を聞きに行くとか。比較そのものよりもそのあとの行動が大切✨
— 更年期中のフェムテック起業家 高本 玲代 よりそる代表 (@Akkyo819) August 25, 2021
トヨタなど上場企業含む１２００社の福利厚生サービスとして採用された「よりそる」。月額１９８０円（税抜）で最大５回のカウンセリングと、パートナーを巻き込んでの更年期の解決を実施。
Source: https://hbr.org/2020/02/its-time-to-start-talking-about-menopause-at-work