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【車中泊旅2024夏7/2~】8/19 Day49:下田観光、金目鯛食べ比べ朝食、ワーケーションスペースで作業

今日は河津から下田に移動しました。市のワーケーションへの取り組みが素晴らしく、白馬村に続いて二度目のワーケーションスペース利用となりました。

下田初日の今日はこんな感じ。


〇日本で初めてアメリカ国旗が掲揚された場所

下田で最初に訪ねたのは玉泉寺。下田駅などのある下田中心街から2km東へ離れた静かな場所にあります。440年の歴史を持つお寺でありながら、1856年にハリス領事が日本最初の米国総領事館をここに開設したという変わった歴史を持っています。

境内には日本国内で初めて星条旗が掲揚された記念碑があり、ハリス記念館という小さな資料館もありました。日本との修好通商条約締結に向けて、大変に苦労しまたうまくいくかどうか心配もしていたという記述が見られました。お寺の庭には「牛乳の碑」という大きなレリーフもありました。ハリスが体調を崩した事から、牛乳を所望して、日本で初めて牛の乳の売買が行われたのも玉泉寺なんだそうです。

試験に出るからと「日米修好通商条約、タウンゼント・ハリス、日本初の領事」などと覚えていただけのハリス氏。「日米間の条約締結に苦労してたんだねー、牛乳飲みたかったんだねー」と思うと急に親近感が沸いてきました。

〇吉田松陰がドキドキな夜を過ごした場所

玉泉寺から徒歩3分も離れていない場所に、ユネスコの世界ジオパークのジオサイトとして指定もされている弁天島という場所があります。かつては島だったのですが、今は防波堤によって接続されて歩いて島に行けます。

1854年にペリーが日米和親条約締結のために二度目の来日を果たして下田港に入りました。幕末の志士の吉田松陰とその弟子の金子重之輔は夜陰に乗じて黒船への密航を行おうと計画。夜になるのを待っていたのが、この弁天島の祠だったんだそうです。

島の隣の公園には「踏海の企跡」という彼ら二人の銅像も飾られていて、彼らが不安と緊張の中で夜を過ごしたであろう事が想像しやすくなっています。

1度目は天候が合悪くて諦めた二人ですが、二度目にペリーが乗船する船に接触できたのですが、ペリーには面会できずに追い返されてしまいます。密告が失敗した事から、柿崎村の名主のもとに出頭して、番所へ連行され、江戸に投獄されて国許蟄居を命じられ、そこで松下村塾を開きます。この弁天島からの密航によって松下村塾開校へと歴史が動いていったのかと思うと、ここでもまた字面だけで覚えていた歴史に血が通って感じられました。。

弁天島はジオサイトでもありますから、そういう点でも見どころとして興味深い場所です。島は数百万年前に海底火山から噴出した火山灰や軽石が、波や海流によって運ばれてできた地層でできています。この地層が地殻変動によって隆起した後に、波に削られてできているそうです。

横縞が入った特徴のある地層を見たり、今にも崩れそうなもろさを感じられるジオサイトでした。

〇さすが下田!「金目亭」で金目三種食べ比べの朝食

朝の観光を済ませて次に向かったのは、道の駅「開国下田みなと」。丁度、お店も開き始めた時間なので、面白い地元の食材などが見つかればいいと訪れてみました。

ここの道の駅は新しくて美しい設備でした。洒落たパッケージのお土産品から地元の野菜なども売られています。ただし漁港に併設の道の駅にしては、全て冷凍されていて鮮魚の扱いがないのが残念でした。

同じ敷地には下田魚市場があるのですが、市場の隣には漁港組合運営の食堂「金目亭」があります。ランチメニューをチェックしに行くと朝も9時半まで営業していました。しかも朝限定メニュー3種類の中に「金目三食丼」というのがあり、三種類の金目鯛のお刺身を食べ比べる事ができる丼でした。

こーれは!

伊豆半島に入ってから金目鯛の事をじょじょに知るようになりました。金目鯛と行っても3種類あるんだそうです。伊豆稲取や下田近辺の海藻を食べて生息している地金目、伊豆近海の島で獲れる島金目。沖で漁をして数日間かけて港に戻ってくる沖金目。それらがどのように味が違うのか、気になってきていたところでした。

伊豆稲取の市場で言葉をかわした漁師の奥さんは、皮と身の間の脂の旨味が違うと聞いた事があると言っていました。刺身で食べた時に感じる脂の味わいが違ってくるらしいのです。また揚げ物にした時にも相違がわかるとも。一方で煮物にするのなからあまり違いはないと思うというお話しでした。

生の金目鯛の食べ比べなんて無理だよねぇと思っていた矢先、このメニューとご対面です。これは食べてみなくては!

ということで9時15分、朝食営業ぎりぎりに入店して注文して食べてきました。まず3種類に共通して感じたのが、とにかく甘い。こんなに甘みを感じるお魚は初めてでした。違いとしては沖金目と島金目は同程度に感じられたのですが、地金目となるとぐっと身の味が濃く感じられ、脂のノリもよく感じられました。

1種類について3切れずつ乗ってきますので、よーく違いを噛みしめながら食べるには丁度良かったです。

さすが下田の漁港です。こんな朝食を出してくれるなんてナイスでした。

〇電源利用の範囲

本日はもう観光終了ということで、電源を使って作業させてもらえる場所を探してみました。下田にはマックスバリューとマックスバリュー・エクスプレスがありますが、マックスバリューの方にイートインコーナーがありました。テーブルの足元にはコンセントもあります。お店の方に聞いたらスマホの充電なら使ってもいいという事でした。「パソコンは?」と聞くと「パソコンはちょっとダメですね」という回答。うーん、そうですか。ダメですか。

頼みのマクドナルドもスタバもガストもない下田でどうしようか?他の選択肢はないのか探していたら、下田市のナイスなサービスが見つかりました。

〇下田市のありがたいサービス、ワーケーションスペース

それは下田市が提供するワーケーションスペースです。市内に2か所あって、1つは下田市民文化会館、もう1つは先ほどまで食事で滞在していた道の駅「開国下田みなと」。

ということで、さっそく元居た道の駅へUターンしました。ショップの入っている建物の2階に「管理事務所」というのがあります。そこで申込書に記載すると、同じフロアーの離れの棟に連れて行ってくれました。パーティションで6つに区切った大きな机のある会議室。一人4口のコンセントが用意されていて、空調も入れてくれます。

利用料金は無料で朝9時から17時まで利用可能です。

伊豆の観光はお天気に左右される事が多いので、天気待ちの時間を有効に使えるスペースを提供してもらえるなら、ずっと下田で時間調整したくなる、そんな設備でした。

〇急遽決まった停車地「下田公園」で夜中に職質を受ける

ワーケーションスペースで作業後、「昭和湯」というレトロな銭湯で汗を流して、マックスバリューで買い物して、今夜停車しようと考えていたまどが浜海遊公園に行って、愕然。公園は17時に閉鎖されるということで、現在時刻17時10分の今、駐車場はチェーンで塞がれて入れない状態になっていました。

お隣の道の駅「開国下田みなと」には「宿泊目的の滞在はご遠慮ください」という注意書きがあって車中泊できないと、この時点で思っていたため(後日、宿泊目的ではないが常識ある仮眠をするという解釈で車中泊しました)、急遽別の場所を探す必要が出てきました。

そこで見つけたのが、下田海中水族館の隣にある無料駐車場。トイレもあるようです。だんだんと暗くなる下田の町を離れ、鬱蒼とした山中に入って駐車場に到着しました。

駐車場付属のトイレは和式のみで、夜は照明がつかない。道路を渡ったところには別のトイレがあり、そちらが使えるので滞在はできそうです。周囲は濃い森に囲まれた場所で、水族館が「蛍の光」の音楽を流し終える頃には駐車場にいる車は我が家1台のみとなりました。街灯も灯されたのでトイレまではヘッドライト無しで行けそうだし、道の駅と比べると空気もヒンヤリしていて涼しい。車中泊に関しての禁止の看板もないので、問題ないと判断して就寝しました。

と、夜も更け切った頃に「コンコン」と車の扉を叩く音が聞こえました。こんな場所にこんな夜中に訪ねてくるのは、あちらの世界の人かあの人達しかいない。そう思って扉を開けると、はたして「あの人達」でした。「下田警察署の者です。お休み中に失礼します」。そうです、今、私たちは職質にあっているという状況でした。

実は車中泊で人気がない場所にいて職質を受けたのは二度目。一度目に受けた場所では、トイレが放火された事件のあった公園で警戒を強めているという事でした。今回の駐車場では、下田には家出して来る人が多いので警戒しているとの事でした。不審人物を常に警戒して、夜中に警らしてくれる警官が日本中にいる。ありがたいことです。お仕事を増やしてしまって申し訳ないと思いつつ、駐車場でも安全に車中泊できるのは警官の方たちの働きがあってこそだなぁと思いました。

Google Mapの写真 メープルシロップさん

この文章を書きながら調べたら、フーテンの寅さんに出てくる美保純ふんするあけみが家出した先が下田だったというエピソードが見つかりました。やはり下田は家出したい人の憧れの地なのかなぁ?

さて、明日は伊豆の高級スーパーマーケット「フードパラダイス あおき」でついに、あれを買ってしまった話です。

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