冬の終わり、再び沖縄へ。
3ヶ月ぶりに、わたしは早朝6時の羽田空港で搭乗を待っていた。
眠い目を擦りながらの日の出フライト。
飛行機は轟音とともに地上を離れ、眼下にはまだ半分眠ったような東京の街と、朝日に照らされた橙色の静かな東京湾が広がり、そこを幾隻もの船が行き交っているのが見えた。
この場所、この時間帯にしか味わえない最高の、至福のひととき。
早起きは辛いけれど、やっぱり早朝フライトはやめられない。
石垣空港に降り立つと、天気は曇り時々小雨。
2月の沖縄ってどんな気候?と思っていたけれど、想像よりも肌寒い。
一通りの仕事をこなしつつ、空き時間で気になっていたお店を巡る。
今回も、心の底から大好き!と叫んでしまうような素敵なお店にたくさん出会うことが出来た。
観光のオフシーズンということもあってか、2月の石垣島はなんだか落ち着いた雰囲気。
窓の外、強風に揺れる木々を眺めながら、ぼんやりと冷たいジュースを啜る。
ホテルの窓からは、日没前、一瞬だけ夕陽が顔を出しているのが見えた。
日が暮れて、少しずつ、少しずつ夜の帳が下りていくのを、部屋でひとり電気も付けずに眺めた。
夕飯は、前回と同じ島そばのお店で。
ここはいつ来ても騒がしさがなく、
地元の家族連れも、観光客も、ひとりの人もふたりの人も、みんな思い思いの時間を静かに過ごしているから好きだ。
店員のおばあちゃんたちの飾らないあたたかい空気感にも、いつも癒されている。
翌朝、夜明け少し前に目を覚ます。
薄暗い窓の外、ぼんやり見えるのは、港の灯りと時折行き交う車のヘッドライト。
まだ夢の続きを見ているような、ふしぎな夜明け。
早朝からやっているお店でカフェラテを飲んで、
空港に向かう直前、これまでの人生で食べた中で誇張なく一番美味しい(!)バインミーに出会う。
なんで、あんなに美味しかったんだろう…
また絶対ここのバインミーを食べにくるぞと心に誓い、名残惜しい気持ちを抱えながらも昼過ぎの便で石垣島を離れ、那覇へ。
那覇は石垣島よりも天気が良くて、時折晴れ間が広がると、初夏のような、涼しくて心地よい風が吹いていた。
薄い長袖一枚で街を歩くと、なんだか季節を先取りしているみたいで、足取りも思わず軽くなってしまう。
最終日の朝、ホテルから少し歩いて気になっていたカフェへ。
心地よい音楽が流れる店内。窓の外には車が行き交い、緑の葉っぱが揺れていて。
あまい黒糖ラテをちびちび飲みながら、物思いに耽る時間の、なんと幸せなこと。
2月の沖縄は、やっぱり冬で、でも着実に、春や初夏の近づく気配がするようで。
なんとなく気怠くのんびりとしていて、このままもうちょっとだけ長く、何も考えずにここでぼうっとしていたい、と思わず願ってしまう。
ひとりで沖縄に行くのなら、もちろん春や夏も良いのだけれど、この静かな冬の時期も捨てがたい。
足を運ぶたびに、やっぱり独特で、生命力に溢れた、美しく魅力的な場所だなあ、と思わされる沖縄。
次の季節に訪れるとき、今度はどんな顔を見せてくれるだろう。