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第1章 医局のデメリット:人事 『中堅放射線治療医が見てきた医局と資格 (仮)』の草案
過去の内容はこちらのマガジンに保管しています。
今日は第1章の続き。
私が見てきた医局のデメリットについて書いていきます。
本文はここから。
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私が考える、医局に所属することのデメリットは3つです。それは人事、人間関係、医局特有の仕事です。
医局に所属する上での最大の懸念は、人事です。医局では教授が人事権を持ちます。人事の調整は医局長がすることもありますが、最終的な決定権は教授にあります。
医局人事によって病院を転々とすることは、先にも述べたように、一定のメリットはあります。キャリア形成において役に立ちそうですが、デメリットも表裏一体です。医局員は、自分で自分の勤務先はもちろん、勤務条件をコントロールすることができません。自身が望まぬ人事であっても、医局の方針として渋々了承せざるをえません。また、勤務先によっては毎年引っ越しをする必要も出てきます。特に若い先生は頻繁に異動があります。
私はこれまで、医局人事として5つの病院で勤務してきました。現在所属している病院は6つ目です。医局人事で働いた5病院の勤務機関はそれぞれ、1年、2年、2年、3年、4年でした。学年が進むにつれて、異動の頻度は減っていますね。毎年の異動でないことは、むしろ恵まれているかもしれません。
群馬大学の放射線科では、関連病院は群馬県内が多く、県外でも主な関連病院は関東圏です。巨大な医局になると、地方の関連病院も持っていたりするので、異動のときの引っ越しだけでも大変ですよね。
頻繁な異動は、さまざまな経験を積めるという点で、キャリア形成において有利な点もあります。しかし、家庭がある場合には、家庭環境は二の次になる可能性もはらんでいます。
さらに、給与交渉や勤務条件は、関連病院と医局との間で行われますから、医局員個人による条件交渉は通常できません。先にも述べたように、詳細な勤務条件や給与体系は勤務してみないとわからない、ということが起こり得ます。自分が許容できる条件ならば問題はありません。しかし、自分の希望に沿わない場合、条件の交渉が困難であれば、その病院に勤務している間、我慢して受け入れる他ありません。
このように、医局に所属している場合、人事権を他人に委ねているため、自分でコントロールできません。医局に所属することは、教授に人事権を預けることで、自身の身分やキャリアを保証してもらう、という側面があるのだと考えられます。
(900字)
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累計の文字数
はじめに 800
医局と臨床、研究 1600
医局と教育 1200
医局と人事 2400
医局の構成員 800
医局に入る研修医の割合 700
医局のメリット 1800
医局のデメリット、人事 900
合計 10200
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やっぱり人事だけは、どうしようもない部分ですね。
次回は人間関係や医局特有の業務について述べていきます。
読んでいただきありがとうございました。
髙草木