【ほどほどで得られる満足感を愉しもう】 感想: 『コスパの経済学』 浅見 陽輔
まとめ
私にとって、この本での重要な部分を簡単にまとめると
限界効用逓減の法則によって、お金をたくさん出しても満足度が比例するわけではない。ほどほどの出費で、コスパの高い支出を心がけたい。
ということです。
本を読んだ動機
時間の使い方は、私の最近のテーマです。時間でもお金でも、投入するコストに対するパフォーマンスは良いに越したことはありません。
感想
この本で述べている経済の原則は3つですが、中でも「限界効用逓減の法則」が日常の支出や収入を考えるときに役立ちそうでした。
限界効用逓減の法則は、言葉は難しいですが、理解はしやすいです。限界効用とは、何かを追加で1単位消費したときに得られる満足感です。逓減はだんだん減ること。
本書ではビールが具体例でした。ビールは最初の一口目はとても美味しいです。でも、さらに飲み続けるとだんだん美味しさになれてきます。最終的には味なんてわからなくなります笑
お金について考えると、ある程度少額の範囲であれば、金額を上乗せすることで満足感も高まります。ですが、徐々に金額の上乗せに対する、満足感の上乗せは下がっていきます。倍の値段がする旅館に泊まっても、満足度が倍になるわけではありませんし、倍の値段の車を買っても満足度は倍になりません。
となると、徐々に満足度に対するコスパは下がっていきます。
また、収入も同じようなことがいえそうです。よく年収800万円、最近は1,000万円で幸福度は頭打ちになると言われますよね。これも限界効用逓減の法則のひとつと考えてよさそうです。
この本で紹介されていた、内閣府が2019年に発表した「満足度・生活の質に関する調査」が興味深かったです。本のネタにも使えそうだったので、データを整理して改変した図を作りました。
国内の調査でも、どうやら稼げば稼ぐほど満足度が高まるわけではなさそうです。世帯年収1,000万円くらいまでは、収入が増えるほど、それに伴って満足度も増加しています。
しかし、その先は満足度の上昇は鈍化し、世帯年収3,000万円くらいで満足度は頭打ちみたいです。お金はあればあるほどよさそうですが、高い収入がある人はそれ相応の苦労があるのかもしれません。税金も重くのしかかってきそうですしね。
となると、何か消費をする際にも、収入を得る際にも、ほどほどのところがコスパが高そうに見えます。そのあたりを狙えるといいなと思います。
おわりに
ほどほどで得られる満足感を十分味わえるようになると、人生楽しく過ごせそうだなと思いました。
読んで頂き誠にありがとうございました。
髙草木
基本情報
リンク:コスパの経済学
入手場所:Kindle Unlimited
読み始めた日:2024年10月21日
備考:読書ノート13冊目