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【校正者は本の番人】 感想: 『文にあたる』 牟田 都子
まとめ
私にとって、この本での重要な部分を簡単にまとめると
校正は誤字脱字を修正するだけではない。
校正者は、私たちが安心して本を読めるようにしてくれる、本の番人だ。
ということです。
本を読んだ動機
何かの本で紹介されていたと思います。私が本を出したときに、校正は依頼しませんでした。ChatGPTに誤字脱字を探してもらって済ませていました。
でも世の中には校正を仕事にしている人たちがいます。どんな仕事なのでしょうか。
感想
私は校正の仕事を盛大に勘違いしていました。誤字脱字、てにおはを修正するだけが校正ではありません。記述している内容の事実確認もしている作業です。なぜ、この作業が必要か。その意義を著者は次のように述べています。
多くの読者にとって、本当は安心して読めるものなのです。その信頼を失わないために、損なわないために、やはり校正はあってほしい。
もう一度言いますが、私は完全に校正の仕事を誤解していました。プロの校正では、言葉の表現のひとつでも、調べて事実確認をしています。本の中で引用や事実として書かれていれば、それを確かめるために資料にあたり、必要があれば修正を促す。これらの作業によって、本の信頼性を担保してくれています。
著者は校正の仕事に対して、「完璧を求める仕事」であり、「1つでも誤植があれば0点」だと述べています。非常い厳しい仕事観です。でもこうした仕事によって、私たちは、安心して本が読めるのだと知りました。校正者というのは、まるで本の番人のようだなと感じました。
そして、この本を読んで考えたことは、Kindle出版は、この「安心して読める本」の大原則に背いていないか、という懸念です。
私がこれまで出してきた本が、本全体の意義を貶めることはないのでしょうか。と思いましたが影響力が皆無なので、本の意義を下げることはありません。でも、Kindle出版全体の意義は低下させる可能性はあります。現に私も、Kindle出版の本を読んで幻滅した経験もあります。私自身が本を読むときには、Kindle出版の本よりも、出版社が出した本を探します。
とすれば、私はいったい何のために本を書いているのでしょう。自己満足?体のいい暇つぶし?実績づくり?お小遣い稼ぎ?
おわりに
悩んでいる雰囲気の記事になりましたが、私はそんなに悩むタイプではありません笑。いまはKindle本について、私なりの結論を出しています。それは、Kindle本は本ではなく、「Kindle本という別のジャンルのものだ」ということです。本っぽく書かれていますが、そこには何の制約もない自由な世界です。
そうやって認識しておけば、エンターテイメントとして楽しむのは悪くなさそうです。でも、書くからには誰かの役に立ったらいいなーと思っています。
基本情報
リンク:文にあたる
入手場所:図書館
読み始めた日:2024年11月24日
備考:読書ノート14冊目
読んで頂き誠にありがとうございました。
髙草木