見出し画像

母を想う⑬保健室のベッド、瞼に浮かぶはおかあさん

わたしが小学生だった頃は、毎年きっちり
8月31日までが夏休みでした。

そして、8月31日は母の誕生日。
そう、夏休み最後の日。

父は、「いくぞ~!」と近所にあったレストラン
へ連れて行ってくれました。
母への誕生日のプレゼントです。
それは、夏休み最後のお楽しみでもありました。
おかあさんが8月31日生まれで良かったなあ、
なんて思ったものです。


そして、翌日、9月1日は始業式。
わたしの通う小学校はマンモス小学校でした。
全校生徒が集まると体育館には入りきれません。
体育館はなんと2つありました。
が、始業式は、グラウンドに集合です。
今よりも気温は高くなかったと思いますが、
それでも夏の日差しの中の校長先生の話等々・・・


あちらでしゃがみ込み、
こちらでしゃがみ込み、
わたしも立っていられなくなり、しゃがみ、
貧血ですね・・・


保健室に行きました。
ベッドに寝かせてもらい、瞼を閉じます。


身体が楽になってくると、おかあさんの姿が
まぶたに浮かんできました。
小花柄で周りにフリルのついたエプロン。
ウエストでキュッとリボンに結び、にっこり
しているおかあさん。


おかあさんに逢いたい


お家に帰っておかあさんに逢いたい


今すぐおかあさんに逢いたい


おかあさん、おかあさん、おかあさん、


小学3年生のわたしは、おかあさんに逢いたくて
たまらなくて、涙がじんわり浮かびました。



あの日、すごくすごくものすごくおかあさんに
逢いたかった気持ちを今でもはっきりと思い
だせるのです。
叱られることもたくさんあったはずなのに、
やさしいおかあさんの顔、声、匂い・・・
ただただおかあさんに逢いたかった、



ひとり暮らしをしていた頃もそうでした。
風邪をひいたり、具合の悪いとき、
おかあさんに逢いたかった、



自分が思うよりずっとずっとおかあさんが
だいすきなのでしょうね、



おかあさんて、すごいなあ・・・
おかあさんて、すごいね・・・



と仏壇に手を合わせ、話しかけている
まだまだ甘えん坊の娘です。



いつき@暮らしが趣味さん、使わせて頂きました💓





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?