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出会う人、また出逢う人

短大を卒業し、最初に勤務したのは幼稚園でした。
そこで同じクラスを受け持ち、ご指導頂いたのは
4歳年上の先生。
かれこれ30年以上、年賀状のやりとりを
続けています。
お互い、近況の写真をおりこんだ1年の様子が
よくわかる年賀状でしたので、会っていなくても
存在を感じあえる関係ではあったと思います。


1年に1度のやりとりでしたが、ずっとずっと
わたしのこころの片隅にいる、そんな存在でした。
また会いたいなあ・・・
ずっとずっと忘れられない存在でした。


ゆったりと穏やかな雰囲気のかたでした。
大きな瞳が笑うと三日月になるかわいい
かたでした。
そして、すらりと細い指が奏でるピアノの
音色はすてきで、いつもうっとりするのでした。



思いだすのは七夕の行事です。
同じ学年を受け持つ4人で七夕の由来の
劇をすることになったのですね。
その先輩のアパートに集まり、うら若きわたし
たちは、きゃっきゃっ言いあいながらも、
まじめに楽しく台本を書いて
いきました。



カセットテープに台詞を録音して、それを
流しながら、劇をしようか!
それなら、効果音もいれたいね!
先輩は、キーボードを出してきて
さっそく弾き始めます。


織姫が機を織るシーン、
天の神さまが怒るシーン、
天の川がきらめくシーン、


「こんな感じでいいかい?」


先輩はこんなふうにかわいく話す人でした。


わたしたち3人は、「すてき~~!!」
と手をたたいて喜びます。
天の川の星たちが見えるようでしたから☆


本番の録音スタートです。


他の音をいれてはいけない緊張感、
わかる年代にはわかりますよね~。


4人で深呼吸をし、大きくうなずくと
先輩が録音ボタンが押します。


彦星
織姫
うし
天の神さま
ナレーター

わたしは一番年下であるという初々しさ
からでしょう。
織姫役を任命されました。
先輩のいうことは絶対です(笑)


うし役は、立候補で決まりました。
天の神さまとナレーターは先輩で一人二役です。


うしの鳴き声の場面では、
「鳴き声に厚みをもたせよう!」
という提案で4人で鳴きました。


「も~~~~お」


なぜだかこの4人の声が今でもはっきりと
思いだせるのです。

わたし、どれだけ楽しかったのでしょうね~、


衣装も考えて演じたはずなのですが、
そのことは全く覚えておらず・・・。


先輩のアパートで台本を録音した時の記憶だけが
鮮明なのです。




この6月、主人の作品を展示する機会があり、
今回は思い切って、先輩に案内状を送りました。
「行かせてもらうね!」とすぐに返事がきました。



それからは、嬉しくて嬉しくて、
久しぶり過ぎて、ちょっとドキドキで、



約束の当日。


後ろからわたしの名前を呼ぶ声が。

振り返ると先輩が立っていました。

三日月の目で微笑んでいます。

一瞬にして時が戻ります。



ああ、わたしたちこそ、織姫と彦星でした。

1年に1度、年賀状のやりとりで出会う、

年賀状だけのおつきあい・・・

よく使われることばですが、1年に1度、

必ず年賀状で会ってきたことの絆を感じた

再会でした。



社会人1年生のときに出会った先輩。
いつもココロの片隅にいて忘れられなかった先輩。


時を経て、また出逢えました。
出逢うことができました。


今回の主人の作品展をきっかけにして、
わたしはたくさんの出会いと
再会をしています。



出会う人、また出逢う人



ひとは、出会うべき人に
また出会うべきときに
出逢うのだなあ・・・

あれっ??
ちょっとこんがらがってますね・・・(-_-;)

そんなことを思う、七夕前の6月です。
















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