泣き続ける娘と葛藤する私の話
「プリキュアの服がほしい」
そう娘が言い出したので、僕は
「お片付けがちゃんとできるようになったら買ってあげるよ」
と言った。そしたら、娘はめちゃくちゃに泣き出してしまった。この世の終わりかというように、泣き声をあげて。
泣き止んでもらうために「そんなに泣くならなら買ってあげるよ」と言うことは、最も取ってはならない選択肢である。
悪しき前例を作ってしまうからだ。
だから、僕は
「いくら泣いても買ってあげないよ」
と言った。そしたら娘は、
「誕生日に買って」
と言った。娘の誕生日が来るまで、あと半年以上あるので、
「わかった。誕生日には買ってあげる」
と僕は言った。そしたら、またすぐにめちゃくちゃに泣き出した。
娘が泣く理由の内訳はこうだと思う。
買ってくれなくて悔しい50%/泣いたら買ってくれるかもしれないという期待30%/部屋の片付けをしたくない 20%
なので、娘は部屋を片付けずしてプリキュアの服を手に入れるためにはどうすれば良いか考え、泣き続けているのだと推測した。
買ってくれない悔しさのおかげですぐに泣けるから、これを利用して、上述のとおり目的を果たそうとしているのだ。
うーん、頭いいな。(バカ)
ただし、これに屈したら、悪しき前例を作ってしまうし、この同情的な感情により利益を得ることは、その目的が社会貢献内容だったり、他者を救済する内容なら良いが、個人的利益のために用いるべき手段ではない。
親として「泣いて何かを得る」という手段は2度と使ってほしくない。
「ねえ、あなたは無駄なことをするのが嫌なのは、お父さんはよく知ってるよ。部屋の片付けだって、結局はお父さんとお母さんがするから、自分がするのが無駄って思ってることも。
でも、あなたが今、泣いていることも、同じように無駄なことなんだよ。だって、いくら泣いてもお父さんはプリキュアの服を買ってあげるつもりはないから。だからもう泣き止んで」
そういうと、一瞬泣くのを止めた。しかし、すぐにまた泣き出した。それから20分くらい泣いて、泣き疲れて寝た。
お父さんだって本当は買ってあげたかったのだ。だって、嫌われたくないし、プリキュアの服を買ってあげたら、めちゃくちゃ喜ぶのは分かっているし、これでお父さんのこともっと好きになってくれるはずだし。
でも、それは出来ない。僕はその手段を選ばない。僕が娘から好きになってもらうために取る手段は、
娘と何かを一緒に楽しむ機会を作り、そこで一緒に楽しむことだ。
これにはプリキュアの服よりもお金も労力もかかる。けど、娘のためではなく、僕が幸せを感じるために、この手段を取りたいと思っている。これも娘が泣くことと同様に、僕の個人的利益のためだ。
でも、その手段は僕個人だけでなく、妻や息子や娘の利益につながると信じている。これは、自分の両親から学んだことだ。そして、きっと僕の両親は僕の祖父と祖母から学んだことだと思う。
すげーつながっているなーと思う。これを次の世代につなげていくために、僕もこの手段を取り続け、みんなの個人的利益をあげていきたいと思ってます。
なので、今度晴れたらまた海に連れて行こうと思います。