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喫茶去

四月になってから初めての稽古でした。年度当初、まだ二週間しか経っていないと思えないほど忙しく、一回は稽古をスルーしたのでしたが、やはり今日は行ってきました。

濃茶と薄茶の稽古を一回ずつします。今日は唐物と流し点でした。裏千家では四月は透木釜といって釜の羽が広い釜を使います。そうすると直接火が見えにくくなるので暖かくなってきた季節にふさわしい、というわけです。

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網目に桜があしらわれた優美な釜です。桜川という種類のものです。

お菓子は地元の菓子舗の主菓子のほか、正教授におなりになった師匠が今日庵でいただかれたという「紋菓」(鶴屋吉信)と麩焼き(末富)が大ぶりの椿皿で出されました。麩焼きのほうは、鵬雲斎大宗匠の奥様でいらっしゃった登三子夫人のお好みだったという特別なもので、末端の弟子には滅多にお目にかかれないものでした。ありがたいありがたい、とうれしく、禄に与りました。

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お茶を点てる時間というのは不思議に他のことを一切忘れて集中できるひとときです。いろいろと注意されることも多く、おぼつかないことこの上もないのですが、日常生活に立ち向かう神経が調律されていくという感覚がはっきりとあります。

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