予言としての日常・ことば|「予言」を読んで
短歌の常識を覆してくる作品に出会った。鈴木ちはねさんの「予言」である。
今年「第二回笹井宏之賞大賞」を受賞した同作だが、そんなことはつゆ知らず、ただ本屋さんの棚に並んだ「予言」の文字が気になって、手にとっただけのこと。まず装丁が好きで(これはいつも本を買う時の絶対条件であるが)、パラパラとめくって読んだ短歌があまりにシンプルなことに驚き、ここには何か秘密があるんじゃないかという謎の直感で買ったのがこの本だった。あれはたしか京都駅前のイオンにある大垣書店だ。
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