すみた たかひろ

編集・執筆。

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マガジン

  • 忘れないために。

    社会課題や世の中の動向、そのほか取るに足らない物事に関して、自分が思ったことを書き留めておくためのマガジンです。

  • ことばを求めて

    なんでことばに惹かれるんだろう。

  • 引っ越さなかった部屋

    引越しに関係なく毎日物件サイトを見るくらい賃貸が好きで、東京へ来て10年で9回引っ越してしまった僕の物件サイト閲覧備忘録(超不定期更新)。

  • TOKYO UTOPIA

    余白を余白のまま価値とする。モノに溢れた現代においては、そんなことが可能だと思う。光と水、香り、音、そして触れること。そんな簡単なものだけで、求めている世界は作れるのかもしれない。そんな、とある企画の思考実験としてのアウトプット。

  • 「はじめての」

    "初めて"は、みな平等に一度しか訪れません。そんな「はじめての」体験を大切にしたいと思い、はじめて訪れた場所について、その時の純粋な気持ちや気付きを不定期で日記としてまとめていこうと思いました。

最近の記事

2022.03.16

ここ数日とにかく身体が限界を迎えていて、肩こりも頭痛もひどい中でなかなか子供が寝てくれず睡眠もまともにとれていなかったこともあって、ほんとうはそんなにも疲れているんだから風呂にでも入ってさっさと寝たほうがいいとは思いつつも、何も持たずに外へ出たくなって、それで理由をつけてちょっと飲み物でも買おうとスエットの上にコートを羽織って深夜に自宅を出ました。実は今住んでいるのが私が上京してきてはじめて一人暮らしをした街の隣駅だったりすることを思い出して、ふとあの頃の街を歩いてみようかし

    • 役立つかどうか、について思うこと

      昨夜の件の炎上について、すでにその思想に対する批判はたくさんあるし、当然そこに対しても思うことはたくさんあるのだけれど、僕としてはやっぱりあの空間にたくさんの本が並べられていたことに対してどうしても色々と思うことがあったのでこうして文章を書いている。 彼は(全然知らなかったのだけれど)読者家としても有名で一日10〜20冊もの本を読むこともあるらしい(そんなに読みたいと思わないけれど)。読書術の書籍まで出しているわけで、あそこに並んでいた本は自身がこれまで読んできたたくさんの

      • 或る終わりと始まりについて

        月並みなタイトルをつけてしまった。終わりと始まりを考えることは誰しも珍しいことではないのだろうけれど、人生の中で大切な人の終わりと始まりに向き合うということはそう多くないのかもしれない。それはもちろん本当の意味での終わり(死)と始まり(生)ということもあるだろうし、その人が生み出す何らかの作品やブランドの終わりと始まりであっても、その重要度はさほど変わらない。終わりを考えることと、始まりを考えること、またそれらに立ち会い、関わり、むしろその終わりと始まりを作っていくということ

        • 放任と成長の幸福論

          アランの「幸福論」という本がある。僕は普段本を読んで泣きそうになることはあんまりないのだけれど、実はこの本はこれまでにないくらい感情がこみ上げた本だった。 その理由は少し特殊だ。というのも、いつしか実家の本棚に眠ってあった岩波文庫のかなり古いものを見つけて東京に持っていったのだが、読み進めてみると赤線がたくさん引かれてあることに気がついた。 僕は次第に理解した。それは、母が僕を産み育てている時に読み、引いた赤線だったということ。もちろん、恥ずかしいから本人には聞いていない

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        • 忘れないために。
          28本
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          10本
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        • 「はじめての」
          1本

        記事

          文化の発展と支援に関する覚書

          ※以下の文章は構成や結論を熟考するよりも、まず思いついたことをとにかく文字に残していおいたものとして、若干の強引さや主張の曖昧さ、論拠の乏しさなどがあるという大前提で流し読み程度にご覧いただけると幸いです・・・! まず、文化がなんなのかということに関しては答えがないだろうからここでは省くとして、個人的な意見としては、文化というのものは誰か(もしくはいずれかの団体)が作るのではなく、そこに生まれるものだと思う。文化を作ろうとして文化が形成されるというよりは、あらゆる個の集合体

          文化の発展と支援に関する覚書

          僕たちの平成が終わった。|「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を見て

          感情が溢れてしまいそうなので、読書感想文から逸脱して、映画感想文を書きます。今週公開されたばかりの「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」。 ここから以下、具体の内容には極力触れないように、個人的な主観で鑑賞後数時間で思ったことを殴り書いたのですが、これから見るという方には、当然ネタバレになってしまうので、見ないでいただきたいと思います。 ※TOP画は劇場で配られるパンフレットの一部分です。 ************************ 僕たちの平成が終わった。

          僕たちの平成が終わった。|「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を見て

          いくつかの3月10日。

          1945年3月10日米軍の爆撃機B29の襲来により、約2時間で33万発以上の焼夷弾が投下された。所謂、東京大空襲である。東京の下町は壊滅。10万以上の死者が出た。私はそのことを歴史としてしか知らない。 2009年3月10日朝一の新幹線に乗り、母と東京を目指した。私は絶対に落ちたと思っていた。自己採点をしてみて毎年の合格予想点には到達していなかったし、そもそも試験が終わった時点で手応えのなかった私は、はじめて降りる丸の内駅の丸善で後期試験の赤本を買い、大阪へ戻る新幹線の中で過

          いくつかの3月10日。

          家と生活感についての覚書(物件探し備忘録 番外編)

          相変わらず家探しは続いているのだけれど、実はこの一週間が引越し業界(?)的にはもっともホットな一週間だという。 というのも、3月末で引越しをする人たちが1月末くらいで一斉に退去の連絡を入れるため、物件サイトにはいい物件が次々と増える時期なのだそう。今がピークで、ここから物件数は減りつつも3月末までにいい物件は大体がなくなってしまう。 一方で、4月からの新生活に向けて家探しが始まるのも2月。家探しの予約を入れた人々が内見を始めるのが実にこの週末だというのだ。というわけで、物

          家と生活感についての覚書(物件探し備忘録 番外編)

          物件探し備忘録(2021.01.27)

          昨日から突然、団地への憧れが増している。なぜかはわからないけれど、都心でもなく、田舎でもない、郊外の年というそのちょっぴり閉鎖的で人工的な街がいいなと思ってしまった。 それは多くが高度経済成長とともに生まれたもので、だからこそ、どことなく昭和の夢が詰まったユートピア感があるし、なんとなく風通しの良さがいまでも残っていて、いい。 ちなみに、団地というのは「同一敷地内に建てられている共同住宅の建物群」のことで、建物を指すのではなくて、いくつかの建物が建っている土地のことをいう

          物件探し備忘録(2021.01.27)

          「にげること」について(全文公開)

          2020年の1月に「にげる」ことをテーマに文章を書き、デザイナーの檜山ちゃん、ボードゲームクリエイターの山本くんとともに、この文章を使った人生ゲームを作りました。以前この記事で書いたものだけれど、このプロダクトも発売から1年が経つので(正確にはまだまだ先なのだけれど文章は1月に書き終わっていたので)、全文を公開しておこうかと思います。 新型コロナが猛威をふるい始めるギリギリ手前の1年前に書いたものだけれど、今でもそこそこ読み直すと参考になる部分もあるかもしれないなあなどと思

          「にげること」について(全文公開)

          短歌よりもさらに短い俳句という表現について|「遠山」を読んで

          これまで短歌が好きで王道の歌集から個人制作のものまでいろいろと目につくものを買っては読み、感動したり(勝手に)嫉妬したりしてきたわけだけれど、じつはあんまり俳句というものには触れてこなかった。 特に深い理由はないが、三十一文字という短歌の制限を超えて、十七文字で表現できる世界が、ぼくにはまだわかる気がしなかったというのはあるかもしれない。 今日は高浜虚子の「遠山」という句集を読んだ感想を書きたいのだけれど、この本に出合ったのは、たしか神保町のどこかの古本屋。その時には購入

          短歌よりもさらに短い俳句という表現について|「遠山」を読んで

          物件探し備忘録(2021.01.16)

          休日ですが、今日はどうしても載せておきたい物件があったので備忘録。 池尻からすぐのデザイナーズ物件。ワンフロア一部屋という贅沢な作りで、ここはほんとにいいと思った。全く無駄のない作りに、機能性もバッチリ。ただ、今の家と広さが変わらなくてあまり引っ越す意味がないので僕は諦めた。でも、ここを事務所やアトリエにして素敵な仕事ができそうだなと思うので、もしアトリエ探している方は要チェック。多分すぐに埋まると思う。 せっかくなので移動時間に見ていた物件も2つほど。 ビンテージマン

          物件探し備忘録(2021.01.16)

          物件探し備忘録(2021.01.13)

          毎日、ひたすら物件サイトを見ている。 これはもう趣味を超えて日課と言えてしまうかもしれないが、今はわりと本気で引っ越したいと考えている。 ということで、日々気になった物件をただただnoteで垂れ流していこうと思う。でも、本気で狙っているところは引っ越すかもしれないから秘密にしておいて、ここにあるのは、惜しいな〜〜〜〜という「引っ越さなかった部屋」たちである。 ちなみに、最初に言っておくと、普通は仕事の都合などあるから、立地を決めて予算を決めて外堀から絞っていくのが物件探

          物件探し備忘録(2021.01.13)

          使い古された選択の積み重ねがわたしをつくる|「すべて真夜中の恋人たち」を読んで

          自分の人生とは、自らの選択の積み重ねでできている。 そう信じて疑わなかったが、自分自身の選択というのは、はたしてどこからどこまでが本当の自分で決断したことなのか、と言われると自信がなくなってくる。 感情とか気持ちとか気分とかーーそういったもの全部が、どこからが自分のものでどこからが誰かのものなのか、わからなくなる時がよくあるの。(中略)他人のものを引用しているような気持ちになるの 自分のものだと思い込んでいる感情さえ、もしかしたらすでに誰かが作り上げたものを勝手に引用し

          使い古された選択の積み重ねがわたしをつくる|「すべて真夜中の恋人たち」を読んで

          もう引き返せない未来と、帰る場所|「哀しい予感」を読んで

          完全なるジャケ買い。表紙に惹かれて、古本屋で買ったのがこの吉本ばななの「哀しい予感」だった。 この本に関しては、何を書いてもネタバレになってしまうし、できるだけネタバレはしないままに、最初は少し混乱するくらいで読み進めたほうが絶対に楽しいから、ここではあえて具体的なストーリーとかには一切触れず、思いついたこと、気になった台詞だけをピックアップしておく。 19の私の、初夏の物語である。 とにかく、完璧すぎる構成だ。過去と現在を往来しつつ、一瞬困惑もするが、最後に向かってこ

          もう引き返せない未来と、帰る場所|「哀しい予感」を読んで

          なんてことない朝だった、元日に三十代を迎えた私より。

          みなさま、明けましておめでとうございます。 年が明けて、いよいよ三十歳を迎えてしまいました。率直な感想を口に出したら短歌のリズムに乗ったので、タイトルにしました。角田です。 世の中の風潮もありますが、本年は年末年始の帰省も旅行も、あとはここ5〜6年毎年欠かさずに続けていた鎌倉での初日の出と初詣もやめまして、いろいろなことをやめた結果、昨日も普通におきて散歩して仕事してご飯を食べ、そんないつもと変わらない日常を過ごすことになっていますが(テレビもないので年末感マジでゼロだし

          なんてことない朝だった、元日に三十代を迎えた私より。